6月, 2019年
- 2019-06-287月から施行される主な制度等は
- 2019-06-26「算定基礎届」の提出対象者は
- 2019-06-24税務署等の処分に対する不服申立て制度
- 2019-06-21今年10月から変わる自動車の税金
- 2019-06-19平成30年度における査察(マルサ)
- 2019-06-17キャッシュレス・消費者還元事業の登録は
- 2019-06-14所得税の予定納税が必要な方は
- 2019-06-12長期優良住宅の認定が100万戸を突破
- 2019-06-107月から施行される民法(相続法)改正
- 2019-06-07平成30年分の確定申告状況(所得税、贈与税)
- 2019-06-05今月は「外国人労働者問題啓発月間」
- 2019-06-03★6月のチェックポイント
7月から施行される主な制度等は
◎民法(相続法)の改正……
相続法を見直した改正民法のうち、
①結婚期間20年以上の夫婦間における住居用不動産の贈与等は原則、遺産の先渡し(特別受益)として取扱わない。
②遺産分割前でも被相続人の預貯金の払戻しを一定範囲で認める。
③遺言などにより遺留分を侵害された相続人は、侵害額に相当する金銭を請求できる。
④無償で被相続人の介護や看病などを行った相続人以外の親族は、相続人に対して金銭を請求できる。
などが施行されます。
◎教育資金一括贈与に係る非課税措置の見直し… …
①23歳以上の受贈者について、教育資金の範囲から塾や習い事などの費用を除外する。
②教育資金口座に係る契約について、受贈者が30歳到達時に在学中などの場合は終了しないことになります。
◎免税販売における「臨時販売場制度」の創設……
既に消費税免税店の許可を受けている事業者は、期間を定めて設置する臨時販売場での免税販売が可能になります。
◎工業標準化法の改正……
①標準化の対象に新たにデータ、サービス等を追加し、「日本工業規格(JIS)を「日本産業規格(JIS)」に、法律名を「産業標準化法」に変更する。
②認証を受けずに JISマークの表示をした法人等に対する罰金の上限を1億円に引上げます。
◎不正競争防止法の改正……
ID・パスワ一ド等により管理を施して提供される一定のデータ(限定提供データ)の不正取得・使用等を不正競争行為とし、差止請求権等の民事措置を創設します。
◎改正健康増進法の一部施行……
学校や病院、児童福祉施設、行政機関は原則、敷地内禁煙となります。
「算定基礎届」の提出対象者は
社会保険における標準報酬月額を決定するための「算定基礎届」の提出期間は、7月1日〜10日までとなります。
届出は原則、7月1日現在で使用している全ての被保険者が対象となり、4〜6月の3力月間に支払われた報酬の平均額に基づき1年間(9月から翌年8月)の標準報酬月額を算定します。
ただし、6月1日以降に資格取得した方や、7月の随時改定に該当する方は、届出の対象外となります。
また、今年度から8月又は9月に随時改定が予定されている被保険者について、事業主が申出を行った場合は、算定基礎届の届出を省略することが司能となりました。
税務署等の処分に対する不服申立て制度
税務署長等が行った国税に関する処分に不服がある場合は、その処分の取消しや変更を求める不服申し立てができます。
不服申立てには、処分を行った税務署長等に対する「再調査の請求」と、国税不服審判所長に対する「審査請求」があります。
平成30年度に処理された「再調査の請求」について、納税者の主張が一部でも受け入れられた認容割合は12.3% (処理件数2150件のうち262件)でした。
また、「審査請求」では7.4%(同2923件のうち216件)となっています。
今年10月から変わる自動車の税金
自動車に関する主な税金には現行、
自動車の取得時に取得価額に対して課税する「自動車取得税」、
新規登録及び車検時に車両重量に応じて課税する「自動車重量税」、
排気量に応じて毎年課税する「自動車税・軽自動車税」があります。
今年度税制改正により、今年10月の消費税率引上げ時から「自動車取得税」や「自動車税」が大きく変わります。
♦10月以降の「自動車取得税」と「自動車税」
◎「自動車取得税」は廃止となり、「環境性能割」を導入……
消費税率引上げ時に「自動車取得税」が廃止され、代わりに燃費性能に応じて0〜3% (軽自動車は0〜2%)を課税する「環境性能」が新たに導入されます。
また、導入後1年間(来年9月まで)は、自家用乗用車(新車と中古車ともに対象)に限り、税率から1%分が軽減されます。
例えば、2020年度燃費基準+10%を達成した登録車を購入する場合、現行の「自動車取得税(エコカー減税適用後)」は2.25%ですが、「環境性能割」では1%となります(来年9月までは1%軽減措置により非課税)。
◎「自動車税」の恒久減税…
10月以降に新車新規登録を受けた登録車を対象に、全排気量で「自動車税」が引下げられます。
減税額は排気量によって異なり、1000cc以下は年間4500円、1500cc超2000㏄c以下は年間3500円、2500cc超は年間1000円の引下げで、排気蜃が小さいほど減税額が 大きくなります。
なお、軽自動車税は引下げられません。
平成30年度における査察(マルサ)
査察は、一般の税務調査と異なり、国税査察官 (いわゆるマルサ)が大口・悪質な脱税者に対して、刑事責任を追及する特別な調査です。
国税庁によると、平成30年度中に処理した査察事案は182件、脱税額は総額140億円(1件当たり7700万円)で、そのうち検察庁に告発した件数は121件(告発率66.5%)でした。
重点事案(消費税受還付事案や無申告の脱事案など)の事例では、免税店制度を悪用し、架空の仕入(課税取引)と売上(免税取引)を計上する方法で不正に消費税の還付を受けようとした事案や、FX取引を多数の他人名義で行うことで所得を隠し、無申告であった事案などがありました。
キャッシュレス・消費者還元事業の登録は
消費税率引上げ後9力月間実施される「キャッシュレス・消費者還元事業」に加盟店登録した中小・小規模事業者は、
①キャッシュレス決済端末等を自己負担なし導入可能、
②期間中の決済手数料の1/3を補助、
③加盟店でキャッシュレス決済をした消費者に5%を還元します。
加盟店登録は原則、決済事業者を通じて行いますので、本事業のHPから契約する決済事業者を選択し、申し込みます。
なお、既にキャッシュレス決済を導入している場合も登録対象です。
所得税の予定納税が必要な方は
令和元年分の所得税について、予定納税基準額(前年分の税額などに基づき計算した金額)が15万円以上になる方には、所轄税務署から「予定納税額の通知書」が届きますので、予定納税基準額の1/3をそれぞれ7月(第1期)と11月(第2期)に納める必要があります。
ただし、6月30日の現況で所得税の見積額が予定納税基準額よりも少なくなると見込まれる場合は、減額申請ができます。減額申請する場合は7 月16日までに申請書を税務署に提出します。
長期優良住宅の認定が100万戸を突破
国交省が公表した長期優良住宅の認定実績によると、今年3月末時点での認定戸数が100万戸を突破しました。
長期優良住宅認定制度は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅についての建築・維持保全に関する計画を認定するもので、新築に係る認定は平成21年6月、増築・改築に係る認定は平成28年4月から実施されています。
長期優良住宅の認定を受けることで、税の特例措置(住宅ローン減税や固定資産税など)が適用できるほか、補助金や住宅ローン金利の引下げ、地震保険料の割引などを受けることができます。
7月から施行される民法(相続法)改正
相続法を約40年ぶりに大幅に見直した民法等の改正が一部を除き、来月から施行されます。
なお、改正のうち配偶者居住権の創設は来年4月施行、法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設は来年7月10日施行となります。
♦来月から施行となる主な改正内容は
◎婚姻20年以上の夫婦間での居住用不動産の贈与等に関する優遇措置……
結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して居住用不動産を生前に贈与等した場合でも、原則として遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がなくなり、配偶者はより多くの財産を取得することができます。
◎預貯金の払戻し制度の創設……
被相続人の預貯金について、相続人は遺産分割が終わる前でも一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができる制度が設けられます。
これによって、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるようになります。
◎遺留分制度の見直し……
被相続人の遺言などにより遺留分(相続人のうち配偶者や子などが最低限度受け取れる遺産の割合)を侵害された相続人は、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することができるようになります。
これによって、不動産などの現物の財産が共有状態になることを回避できます。
◎相続人以外の親族による特別の寄与の制度の創設……
相続人以外の親族(被相続人の子の配偶者など)が、無償で被相続人の介護や看病などを行った場合には、相続人に対して金銭の支払を請求することができるようになります。
平成30年分の確定申告状況(所得税、贈与税)
平成30年分の確定申告状況が公表されました。
♦所得税の確定申告状況
◎所得税の確定申告書の提出状況……
所得税の確定申告書を提出した方は2221万8千人で、そのうち1305万6千人が還付申告でした。
一方、申告納税額があった方は638万4干人で、その所得金額は42兆1274億円、申告納税額は3兆2826億円と4年連続で増加しています。
©e-Taxの利用状況
自宅等からe-Taxで申告書を提出した方は542万5千人で、そのうち国税庁HPの確定申告書等作成コーナーを利用した方は前年比102%増の124万人となりました。
なお、スマホ申告の利用は36万6千人です。
◎各種控除の適用状況……
医療費控除は759万5干人が適用し、そのうらセルフメディケーシヨン税制(医療費控除の特例)は2万6千人でした。
また、災害などで資産に損害を受けて雑損控除を適用した方は前年比93%増の4万4千人となっています。
♦贈与税の申告状況
◎贈与税の申告書の提出状況……
贈与税の申告書を提出した49万4千人のうち、暦年課税(基礎控除110万円)を適用したのは45万1千人、相続時精算課税は4万2千人でした。
◎暦年課税の申告状況……
暦年課税を適用し、申告納税額があったのは35万7千人で、1人当たりの申告納税額は前年比47%増の70万円となりました。
◎住宅取得等資金の非課税措置の申告状況……
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置を適用した方は5万8千人で、4467億円が非課税の適用を受けました。
今月は「外国人労働者問題啓発月間」
毎年6月は、外国人労働者の雇用ルールの周知を行う「外国人労働者問題啓発月間」です。
今年4月から新たな在留資格「特定技能」が創設され、深刻な人手不足の業種(特定産業分野)において、一定の技能や日本語能力がある外国人労働者の受入れ拡大が図られています。
外国人労働者を雇用する場合は、就労することが認められる在留資格であるか等を在留カードやパスポー卜で必ず確認し、不法就労にならないようにします。
また、雇用および離職の際、ハローワークに「外国人雇用状況」の届出を行うことがすべての事業主に義務付けられていますので、届出を怠らないように注葸しましょう。
★6月のチェックポイント
※6月支給の給与から、新年度個人住民税の特別徴収が始まるので、社員の住所地から通知された税額を賃金台帳に記入し徴収に備えます。
※「労働保険の年度更新」手続きは6月3日から始まります。
また、健保・厚年の「算定基礎届」の提出事務は7月から始まり、ともに提出期限は7月10日なので早目に取り掛かります。
※職場の安全対策や意識のの向上を図る全国安全週間の準備月間。
今年のスローガンは「新たな時代にPDCAみんなで築こうゼロ災職場」。