6月, 2016年
- 2016-06-29来月1日に公表される28年分の路線価
- 2016-06-27算定基礎届の基本と留意点Q & A
- 2016-06-24機械装置の取得に係る固定資産税の特例
- 2016-06-22特例源泉税・労働保険料などの資金対策を
- 2016-06-20大幅な増加となった27年度ふるさと納税
- 2016-06-17住宅ローンの借換え等を行う場合は
- 2016-06-15今月は「外国人労働者問題啓発月間」です
- 2016-06-13日本公庫等の経営者保証ガイ卜ライン活用実績
- 2016-06-10国会で4月以降に成立した主な法律は
- 2016-06-08平成27年分所得税・贈与税の申告状況
- 2016-06-06協会けんぼによる被扶養者資格の再確認
来月1日に公表される28年分の路線価
路線価は、相続税や贈与税において土地の評価額を算定する際の基準となるもので、国税庁は例年7月に、その年の1月1日時点での路線価(及び評価倍率)を公表します。
路線価(道路に面した標準的な宅地の1㎡あたりの価額)が定められている土地の評価方法は、路線価を土地の形状等に応じた各種補正率で調整した後、面積を乗じて計算する路線価方式です。
一方、路線価が定められていない土地については、 固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算する倍率方式となります。
土地は、相続財産で大きな割合を占めますので、評価額を把握しておくことが重要となります。
算定基礎届の基本と留意点Q & A
算定基礎届の提出期間は7月1日〜11日です。
◆Q&A◆
Q.対象者は?
A. 7月1日現在の被保険者全員が対象です。ただし、6月1日以降に資格取得した方や、7月改定の月額変更届を提出する方などは对象外となります。
Q.標準報酬月額の算定方法は?
A.原則、4~6月の3力月間に支払われた報酬の平均額により算定しますが、支払基礎日数が17日未満の月は除きます(短時間就労者は取扱いが異なります)。例えば、4月が17日未満であれば5月と6月の2力月で算定されます。なお、3力月とも17日未満の場合は、従前の標準報酬月額で決定します。
Q.対象となる報酬とは?
A.報酬には給与や通勤手当、残業手当など被保険者が労務の対償として受ける全てのものを含みます。ただし、年3回以下の賞与(標準賞与頟の対象)や、見舞金などの臨時に受けるちのは含まれません。
Q. 4月の途中に入社したことで、1力月分の給与が支給されない場合は?
A.1力月分の給与が支給されない月は、算定の対象月から除きます。
Q.業務の特性上、例年4月〜6月が繁忙期に当たるため、残業手当等によリ他の期間と比べて多く支給されている場合は?
A.前年7月〜当年6月までの報酬月額の平均との間に、標準報酬月額等級区分で2等級以上の差があれば年間平均による保険者算定の対象となります。 申し立てには、「事業主の申立書」と「本人の同意」 が必要です。
機械装置の取得に係る固定資産税の特例
◆中小企業等経営強化法が7月から施行予定◆
28年度税制改正では、中小企業等が生産性を高める機械装置を取得した場合に、固定資産税を軽減する措置が創設されましたが、その前提となる「中小企業等経営強化法」が7月初旬から施行される見通しとなっています。
中小企業等経営強化法は、生産性を向上させる取組を計画した中小企業等の支援を目的に制定され、同法で示された基本方針や事業分野別指針に沿って生産性向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取組を記載した「経営力向上計画」について、国から認定を受けることで固定資産税の軽減措置や、金融支援等の特例措置を受けることができます。
◆機械装置の取得に係る固定資産税の軽減◆
固定資産税の持例は、中小企業等経営強化法の施行日から31年3月31日までの間に、経営力向上計画に基づき取得する一定の機械装置(新品)について3年間、固定資産税の課税標準を1/2に軽減する措置となります。
一定の機械装置とは、①販売開始から10年以内、②旧モデル比で生産性(单位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率等)が年平均1%以上向上する、③1台又は1基の取得価額が160万円以上、のいずれにも該当するものです。
同法施行日以降、例えば、28年中に経営力向上計画に基づき取得した機械装置は、29、30、31年度の固定資産税が軽減されます。
この特例は、従来の設備投資減税(特別償却や税額控除)とは異なり、固定資産税での軽減措置となるため、赤字企業にも減税効果があります。
特例源泉税・労働保険料などの資金対策を
納期の特例の適用を受けている企業の源泉所得税は、7月11日(月)が納付期限です。
同特例は、1月〜6月分の給与・賞与・退職金及び税理士などの報酬の源泉所得税をまとめて納付するため多額になる場合があります。正当な理由なく納期限に遅れると、不納付加算税と延滞税が課せられるので注意が必要です。
また、労働保険の概算保険料の納付や賞与なと資金需要が増える時期と重なるので、売掛金の管理・回収など資金対策を再確認しておきます。
大幅な増加となった27年度ふるさと納税
総務省によると、27年度のふるさと納税(全地方団地の合計)は、受入額が約1653億円(前年度比4.3倍)、受入件数が約726万件(同3.8倍) と大幅に増加しました。
地方団体別の受入額では、宮崎県都城市の約42億円が最も多く、次いで静岡県焼津市の約38億円、山形県天童市の約32億円と続いています。
なお、確定申告をしない給与所得者等が対象となるワンス卜ップ特例(確定申告を行わず寄附金控除を受けられる制度)を適用した場合、所得税からの控除は行われませんが、その分を含めた控除額がふるさと納税を行った翌年の6月以降に支払う住民税から控除されることになります。
住宅ローンの借換え等を行う場合は
日銀のマイナス金利政策の影響により、金融機関の住宅ローン金利も引下げが行われており、借換え等を検討している方もいると思います。
◆借換えた場合の住宅ローン控除の適用◆
住宅ローン利用してマイホームの新築、取得又は増改築等をした場合、居住した年から一定期間、年末のローン残高に応じた金額を所得税額から控除できる住宅ローン控除があります。
住宅ローン倥除を適用している方が金利などが有利な住宅ローンに借換えた場合は、「ローンの返済期間が10年以上であること」など控除の対象となる要件を満たしていれば継続できます
。
借換えたローンの返済期間が10年未満となる場合は、倥除の適用が受けられなくなりますので、注意しましょう。また、控除を受けることができる年数は、借換えによって延長されることはありません。
◆住宅ロ一ンの借換えの効果が出る目安は◆
繰上返済(期間短縮型)を行い、返済期間が10年未満になった場合も住宅ローン控除の適用が受けられなくなりますが、10年未満の起算日は当初借入日となり、「既に返済が終了した期間+繰上返済後の最終返済日までの期間」で返済期間を判断します。
なお、住宅ローンの借換えの効果が出る目安は一般的に、*ローン残高1千万円以上、*残りの返済期間が10年以上、*借り換え後の金利差1.0%以上、と言われています(あくまでも一つの目安です)。新たなローンを組むために事務手数料や保証料、印紙代などの諸費用がかかりますので、借換えを行う際は、これらの費用も含めてシミュレーションすることが重要となります。
今月は「外国人労働者問題啓発月間」です
毎年6月は、外国人労働者を雇用する際のルールなどの周知・啓発が行われます。
外国人労働者を雇用する場合には、まず就労することが認められる在留資格であるか等を在留力一ドやパスポー卜で確認することが重要です。また、外国人労働者の雇入れ・離職の際には、ハロ一ワークに外国人雇用状況の届出を行うことが事業主に義務付けられています。
届出をしなかったり、虛偽の届出をした揚合や、不法就労させた場合は処罰の对象となります。
日本公庫等の経営者保証ガイ卜ライン活用実績
経営者保証に依存しない融資を促進させるため、保証契約の締結や、保証履行の際における対応の自主的なルールを定めた「経営者保証に関するガイドライン」が2 6年2月から適用されています。
政府系金融機関(日本公庫、商工中金)におけるガイドラインの活用実績(26年2月〜28年3月)によると、新規融資件数47万7072件のうち、無保証で融資した件数は10万414件となり、そ の割合は21%となっています。また、既存の保証契約の解除は9330件実施されています。
なお、経営者保証を提供しない融資に必要な経営状況として、法人と経営者の資産・経理が明確に区分されていることなどが求められます。
国会で4月以降に成立した主な法律は
通常国会(第190回)が閉会しました。
◎中小企業等経営強化法……中小企業等が、顧客デ一夕の分析を通じた商品・サービスの見直し、ITを活闬した財務管理の高度化、人材育成、設備投資などにより経営力を向上させるための事業計画(経営カ向上計画)を作成し、国の認定を受けることで、生産性向上設備に係る固定資産税の軽減措置(一定の機械装置の固定資産税の課税標準を3年間、1/2に軽減)や、金融支援の特例措置を受けられる。
◎確定拠出年金法等の改正……*個人型確定拠出年金(個人型DC)の加入者範囲が拡大され、第3号被保険者や企業年金加入者なども加入できる、*中小企業(従業員100人以下)を対象に、設立手続き等を大幅に緩和した「簡易型DC制度」や、個人型DCに加入している従業員に対し、事業主が追加で掛金拠出を可能とする「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」の創設など。
◎特定商取引法の改正……*次々と法人を立ち上げて違反行為を行う事業者への取締りや罰則の強化、*電話勧誘販売で通常必要な分量を著しく超える商品の売買契約の撤回又は解除ができる制度の創設、*通信販売におけるFAX広告の規制導入、など。
◎刑事訴訟法等の改正……*裁判員制度対象事件及び検察官独自捜査事件について、取調べの全過程の録音・録画を義務付け、*財政経済犯罪及び薬物銃器犯罪を対象として、証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の創設(いわゆる司法取引)など。
◎民法の改正……女性の再婚禁止期間を6力月から100日に短縮し、離婚時に妊娠していない場合には、禁止期間の適用を除外する。
平成27年分所得税・贈与税の申告状況
国税庁が公表した平成27年分の確定申告状況によると、所得税の確定申告書を提出した2151万5千人のうち、申告納税額があったのは632万4千人で、その所得金額は39兆3729億円、申告納税額は2兆9701億円と、ともに2年ぶりの増加となりました。一方、還付申告を行った方は、1246万5千人です。
また、贈与税の申告書を提出した方は53万9千人で、そのうち暦年課税(基礎控除110万円)を適用したのは48万9千人、相続時精算課税は4万9千人でした。なお、住宅取得等資金の非課税制度は、6万6千人が適用し、非課税の適用を受けた金額は6159億円となっています。
協会けんぼによる被扶養者資格の再確認
協会けんぽ(全国健康保険協会)では毎年度、健康保険の被扶養者資格について再確認を実施しており、対象者がいる事業主へ「健康保険被扶養者状況リス卜」が今月上旬から順次、送付されます(8月1日が提出期限)。
昨年度は、再確認の実施により7.3万人の被扶養者資格が解除されています。被扶養者が就職して被保険者となった場合や、年収130万円(60歳以上などは180万円)以上になる場合などが解除となった主な理由です。