7月から施行される民法(相続法)改正
カテゴリー: 改正論点
2019-06-10
相続法を約40年ぶりに大幅に見直した民法等の改正が一部を除き、来月から施行されます。
なお、改正のうち配偶者居住権の創設は来年4月施行、法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設は来年7月10日施行となります。
♦来月から施行となる主な改正内容は
◎婚姻20年以上の夫婦間での居住用不動産の贈与等に関する優遇措置……
結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して居住用不動産を生前に贈与等した場合でも、原則として遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がなくなり、配偶者はより多くの財産を取得することができます。
◎預貯金の払戻し制度の創設……
被相続人の預貯金について、相続人は遺産分割が終わる前でも一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができる制度が設けられます。
これによって、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるようになります。
◎遺留分制度の見直し……
被相続人の遺言などにより遺留分(相続人のうち配偶者や子などが最低限度受け取れる遺産の割合)を侵害された相続人は、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することができるようになります。
これによって、不動産などの現物の財産が共有状態になることを回避できます。
◎相続人以外の親族による特別の寄与の制度の創設……
相続人以外の親族(被相続人の子の配偶者など)が、無償で被相続人の介護や看病などを行った場合には、相続人に対して金銭の支払を請求することができるようになります。
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