8月, 2014年
- 2014-08-29厚生年金保険料は毎年9月に引上げ
- 2014-08-27国税の新規滞納額の51%が消費税
- 2014-08-26来月(2014年10月)から雇用保険の教育訓練給付金が拡充
- 2014-08-252014年10月から改正される免税店制度Q&A
- 2014-08-182014年8月のチェックポイント
- 2014-08-15高速道路での緊急時の対処を再確認
- 2014-08-13国外財産調書の提出件数は5,539件
- 2014-08-11災害により資産が損害を受けた場合は?
- 2014-08-0626年度の地域別最低賃金の引上げ目安は?
- 2014-08-04適用しやすくなった所得拡大促進税制
- 2014-08-01熱中症になった場合の対応は?
厚生年金保険料は毎年9月に引上げ
厚生年金保険料率は、29年までの毎年9月に引き上げられます(29年9月以降は18.3%で固定)。
これにより、26年9月分(10月納付分)からは、0.354%引き上げられ、17.474%(一般保険者の場合)となります。
なお、協会けんぽの健康保険料率については、変更はありません。
国税の新規滞納額の51%が消費税
国税庁によると、25年度の国税(法人税や消費税など)の滞納残高は、1兆1414億円(前年度比10.1%減)となり、15年連続で減少しました。
25年度に発生した新規滞納額は、5477億円(同7.7%減)で5年連続の減少となりましたが、このうち消費税が2814億円(同11.5%減)と全体の約51%を占めており、税目別では9年連続の最多となりました。
消費税率引上げにより滞納の悪化が懸念されますが、税金を滞納した場合は、延滞税が課せられるだけではなく、金融機関からの借入が困難になるなど、経営に大きな影響が出ますので、納税資金を考慮した資金繰りが重要となります。
来月(2014年10月)から雇用保険の教育訓練給付金が拡充
働く人のスキルアップを支援する教育訓練給付制度は、要件を満たす方が教育訓練講座を受講した場合に、費用の一部を給付する制度です。
10月から、現行制度(一般教育訓練給付金)に加え、中長期的なキャリアアップを支援する「専門実践教育訓練給付金」がスタートします。
一般給付金は、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初受給の場合1年以上)などが要件となり、費用の20%(上限10万円)が給付されます。一方、専門実践給付金は、被保険者期間が10年以上(初受給の場合2年以上)などで、費用の40%(年間上限32万円)を最大3年間受けられます。
2014年10月から改正される免税店制度Q&A
外国人旅行者が増加する中、今年10月から食品類や飲料類などの消耗品も免税販売の対象になり、特産品などの販売増加が期待されています。
◇◆◇◆Q&A◆◇◆◇◆
Q.免税店(輸出物品販売場)制度とは?
A.免税店を経営する事業者が外国人旅行者などの非居住者に対して、対象物品を一定の方法で販売する場合に、消費税が免除される制度です。なお、免税店を開設する事業者は、販売場ごとに事業者の納税地を所轄する税務署長の許可が必要です。
Q.免税販売の対象となる物品は?
A.現行は、輸出するために購入される物品のうち、家電や衣類など通常生活の用に供する物品で消耗品以外のもの(一般物品)が対象となっていますが、26年度税制改正により今年10月から消耗品も対象となります。
Q.10月から対象となる「消耗品」とは?
A.食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の消耗品をいいます。
Q.免税対象となる販売金額は?
A.一般物品は、1人1日1店舗あたりの販売類の合計が1万円超となっていますが、消耗品については、5千円超50万円以下が免税対象となります。
Q.消耗品を免税販売する際の包装方法は?
A.要件を満たす「袋」または「箱」に入れ、開封した場合に開封されたことが表示されるシールを貼付けて封印することが定められています。
Q.非居住者が事業用または販売用として購入する場合は対象になる?
A.対象外です。
2014年8月のチェックポイント
※立秋(7日)以後は「残暑見舞い」になります。
※夏季休業を実施する企業は、日程を取引先に連絡すると同時に取引先の日程も確認して、納品や集金などにミスがないようにします。
※夏季休業明け頃からは疲労がたまる時期などで、労働災害や交通事故なのを防ぐため、就業中の適度な休憩など健康管理と安全対策の徹底を。
※年末に向けての販売計画と資金繰りを確認し、売掛金の管理と回収を徹底します。なお、得意先の与信枠の再確認をしておきます。
高速道路での緊急時の対処を再確認
帰省や旅行などで、高速道路を利用する方も多いと思います。
交通事故は全体的に減少傾向ですが、高速道路での死亡事故は3年連続で増加しており、4件に1件は故障などで停車中の車や、路上に降り立った人に後続車が衝突する事故となっています。
やむを得ず高速道路で駐停車する場合は、①ハザードランプを点灯させ、路肩に停車、②後続車に十分注意し、車の50m後方に発煙筒や停止表示器材を設置、③安全な場所に避難し、通報します。
国外財産調書の提出件数は5,539件
5千万円超の国外財産を保有(12月末時点)している方に対して、財産の種類、数量、価額などを記載した国外財産調書を翌年3月15日までに提出することが今年から義務付けられました。
国税庁によると、初提出となった25年分(25年末における保有状況を記載した調書)の提出件数は5539件で、総財産額は約2兆5142億円でした。財産の種類別総額では、「有価証券」が1兆5603億円で最も多く、約6割を占めています。
なお、来年以後に提出すべき国外財産調書については、偽りの記載や故意の不提出に対する罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)が適用されることになります。
災害により資産が損害を受けた場合は?
大雨などによる被害が各地で発生しています。気象情報に注意し、早めの防災行動を心掛けましょう。
◆個人の住宅や家財が損害を受けた場合◆
災害によって、住宅や家財などに損害を受けた場合は、「雑損控除」と「災害減免法による所得税の軽減免除」のどちらか有利な制度を選ぶことで、所得税を軽減できます(確定申告が必要)。
雑損控除は、災害や盗難、横領により、住宅や家具、衣類など生活に通常必要な資産が損害を受けた場合に、一定金額(「差引損失額一総所得金額等×10%」と「差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円」の多い方)を所得から控除できます。
一方、災害減免法は、災害による住宅や家財の損害額が時価の1/2以上で、災害があった年分の所得金額額が1000万円以下の方であれば適用でき、所得金額に応じて所得税額が軽減・免税されます(500万円以下は全額免除、~750万円以下は1/2軽減、~1000万円以下は1/4軽減)。
◆会社の資産が損害を受けた場合◆
会社の商品や店舗などが、災害により滅失・損壊した場合、その損失額や、損壊した資産の取壊し、土砂などを除去するための費用は、損金になります。 また、損害を受けた店舗や機械などの固定資産について、原状回復のために補修などを行った場合や、被災前の状態を維持するための補強工事、排水又は土砂崩れの防止などに支出した費用は、修繕費となり損金になります。
なお、法人が災害を受けた取引先に対して、災害の見舞金の支出や、事業用資産の供与などを行った場合の費用は、交際費等には該当せず損金になります。
26年度の地域別最低賃金の引上げ目安は?
地域別最低賃金は、毎年10月頃に改定されますが、賃金水準の引上げや生活保護との乖離解消のため、大幅な引上げが続いています。
中央最低賃金審議会は、今年度の改定額の目安について答申を行い、全国加重平均で16円の引上げとしました。今後、この目安を参考に各都道府県の地方最低賃金審議会が審議し、改定額を決定しますが、目安額どおりに改定された場合は、全国加重平均で時給780円となります。
なお、各都道府県の引上げ額の目安は、4ランク(A19円、B15円、C14円、D13円)に分けて提示しており、A:5都府県、B:11府県、C:14道県、D:17県となっています。
適用しやすくなった所得拡大促進税制
平成26年度税制改正では、所得拡大促進税制の要件緩和などの改正が行われました。
◆給与支給額を増加させた場合の支援税制◆
所得拡大促進税制は、国内雇用者の給与等支給額が基準事業年度(通常は24年度)と比較して一定以上増加しているなどの要件を満たす場合、増加額の10%が税額控除(法人税額の10%、中小企業者等は20%が限度)できる制度です。
税制改正では、同制度の適用期限を延長するとともに、要件が見直され、次の①~③を満たす場合に適用できるようになりました。
① 給与等支給額が基準事業年度と比較して2%以上増加(27年4月~28年3月に開始する事業年度は3%以上、28年4月~30年3月は5%以上
② 給与等支給額が前事業年度以上であること
③ 平均給与等支給額が前事業年度を超えること
◆平均給与等支給額の算定は継続雇用者に限定◆
上記③の平均給与等支給額にていては、算定対象も見直され、「継続雇用者に対する給与等」に限定されました。
「継続雇用者に対する給与等」とは、適用年度と前事業年度のいずれにおいても給与等の支給を受けており、雇用保険の一般被保険者に該当する国内雇用者(高年齢者雇用安定法における継続雇用制度の対象者は除く)に対して支給した給与等をいいます。
これにより、新規雇用者や退職者、定年後の再雇用者などを除いた平均給与等支給額を算定し、比較を行うことになります。
なお同制度の利用に際して事前申請は不要です。また、雇用促進税制とは選択適用となります。
熱中症になった場合の対応は?
熱中症は、重症度によって、※Ⅰ度(経度):めまい、立ちくらみ、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗など、※Ⅱ度(中等度):頭痛、吐き気、力が入らないなど、※Ⅲ度(重度):意識障害、けいれんなどの症状に分けられます。
熱中症になった方がいた場合は、涼しい場所に避難させ、水分補給や水をかけるなどで体を冷やすなどの応急処置を行います。自力で水分を摂取ができない様子や意識障害などⅡ度以上の症状が見られる場合は、すぐに病院に搬送しましょう。