5月, 2017年
- 2017-05-31労働保険の年度更新に関する注意点等
- 2017-05-29★2017年6月のチェックポイント★
- 2017-05-26役員に対する定期同額給与の見直し等
- 2017-05-24個人情報保護法の基本チェックポイント
- 2017-05-22ランサムウェア等の感染にご注意を
- 2017-05-19NISA口座を来年以降も継続する場合には
- 2017-05-17来月から改定される郵便料金
- 2017-05-15年々使い勝手がよくなる事業承継税制
- 2017-05-12ふるさと納税の返礼品は寄附の3割以下に?
- 2017-05-10教育資金贈与非課税措置の領収書提出方法が拡大
労働保険の年度更新に関する注意点等
労働保険(雇用・労災保険)の年度更新は、既に納付した前年度の保険料を確定した賃金総額に基づき精算するとともに、賃金総額の見込み額で算定した今年度の概算保険料について、申告・納付を行う手続きとなり、期間は6月1日〜7月10 日までとなります。
29年度の雇用保保料率は、一般事業:0.9%(事業主負担0.6%)、農林水産・清酒製造事業:1.1% (同0.7%)、建設事業:1.2% (同0.8%)に引下げられています。
また、今年から適用要件に該当する65歳以上の労働者を雇用した場合も雇用保険の適用対象(保険料の徴収は31年度まで免除)となっています。
★2017年6月のチェックポイント★
※6月1日より、郵便料金が一部改定するので、新料金表の掲示や社員への周知を図ります。
※6月支給の給与から、新年度個人住民税の特別徴収が始まるので、賃金台帳に新徴収額を記入。
※労働保険の年度更新手続きは6月1日から、健保・厚年の「算定基礎届」は7月から始まり、 共に提出期限は7月10日なので早目の準備を。
※6月は全国安全週間の準備月間。今年のスロ-ガンは「組織で進める安全管理 みんなで取り組む安全活動 未来へつなげよう安全文化」です。
役員に対する定期同額給与の見直し等
◆損金算入が制限される役員に対する給与◆
役員に対する給与を損金算入するためには、定期同額給与(1力月以下の一定期間毎で、事業年度中の支給額が同額)や、事前確定届出給与(所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で届出が必要)などに該当する必要があります。
税法上の役員とは、取締役などの会社法等で規定された役員だけではなく、①使用人以外で地位、職務等からみて、他の役員と同様に経営に従事している(取締役になっていない会長や顧問など)、②同族会社の使用人で一定の持株割合を満たし、経営に従事している、のいずれかに該当する方は「みなし役員」となり、役員と同様の扱いになります。
◆手取り額が同額の場合も定期同額給与に該当◆
多くの中小企業は定期同額給与を支給していますが、支給額を改定する場合は通常、決算後に開催する定時株主総会により改定する必要があります。事業年度の中途に利益調整目的や一時的な資金繰りなどで改定した場合には、損金不算入となる金額が生じることになりますが、経営状況が著しく悪化したなど一定の事由に該当する場合は、事業年度中の改定も損金算入が認められます。
なお、29年度税制改正において、所得税や住民税、 社会保険料等を控除した金額が同額である定期給与も定期同額給与とみなされることになりました。これにより、例えば、社会保険料の引上げで手取り額が減少する場合でも、支給額を増やして保険料引上げ前と同額の手取り額にすることができます。
29年4月1日以後に支給に係る決議(決議が行われない場合、その支給)をする給与に適用されます。
個人情報保護法の基本チェックポイント
今月30日から、全ての事業者が個人情報保護法の適用対象となりますので、基本的な取扱いについて、以下のチェックポイントを確認しましょう。
□個人情報を取得する際は、利用目的を本人に通知、又は予めHP等で公表する(取得状況から利用目的が明らかな場合、通知等は不要)。 □取得した個人情報は利用目的の範囲で利用する。異なる目的で利用する場合は本人の同意が必要。
□個人情報の漏洩等が生じないように管理する。
□個人情報を第三者に提供する場合は、本人の同意が必要(業務委託などは第三者に該当しない)
□本人から個人情報の開示、訂正、利用停止などの請求があった場合は適切に対応する。
ランサムウェア等の感染にご注意を
世界各国でランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の感染が拡大し、被害が発生しています。ランサ厶ウェアとは、感染したパソコンのフィルムを暗号化し、暗号解除と引き換えに金銭を要求する不正プログラムです。
感染を防ぐためにも、*不審なメールの添付ファイルやURLを開かない、*Windows等のソフトウェアをアップデ一卜する、*ウイルス対策ソフトを更新する、*ファイルのバックアップを定期的に行う、などが必要です。
NISA口座を来年以降も継続する場合には
NISAは制度上、勘定設定期間(①26年〜29年、②30年〜35年)ごとに口座開設が原則として必要となります。
ただし、既にNISA口座を開設しており、来年以降も引続きNISA口座を利用する場合で、今年9月末までにマイナンバーを□座を開設している金融機関に提供している方は、改めてNISA口座を開設する手続きが不要となります。
一方、今年9月末までにマイナンバ一を提供しなかった場合は、再度NISA口座の開設手続きが必要となります。なお、30年以降のNISA口座を開設しない場合でも、2 9年までの買付け分は、最長5年間の非課税期間が適用されます。
来月から改定される郵便料金
6月1日より、郵便はがき、定形外郵便物、ゆうメールの料金が一部改定されるので、新料額表の掲示など社員への周知を行います。
主な改定は、通常はがきが62円に、定形外郵便物は所定の規格内(長辺34cmX短辺25cmX 厚さ3cm/おおむね角2封筒)であれば据え置き又は一部引下げとなりますが、超えるものは大幅に料金が高くなるものもあります。
なお、新たに発行される62円の切手とハガキは、5月15日から販売開始です。
年々使い勝手がよくなる事業承継税制
事業承継税制は、後継者が先代経営者から相続又は贈与により非上場株式を取得した場合、一定要件を満たせば、相続税は80%、贈与税は全額を納税猶予する制度です(議決権総数の2/3までが対象)。
◆29年度改正による見直し等は◆
同制度は、年々使い勝手をよくするための見直しが行われており、例えば27年からは、*親族外承継の対象化、*雇用維持要件の緩和(5年間平均で雇用の8割以上を維持)、*贈与時の役員退任要件の緩和(先代経営者は代表権を有していなければ有給役員として残留可)、などが実施されています。
29年度税制改正においても以下のような見直しが行われ、29年1月以後の相続又は贈与から適用されます(「雇用維持要件の計算方法の見直し」については29年4月以後に適用)。
◎雇用維持要件の計算方法の見直し(29年4月以後適用)……納税猶予を続けるための要件の一つである雇用維持要件について、5年間維持すべき従業員数の計算上(従業員数X80%)、1人未満の端数を切り捨てることになり、従業員4人以下の企業で1人減った場合でも納税猶予が続けられます。
◎相続時精算課税制度との併用が可能に……同制度により贈与税の納税猶予の適用を受ける場合でも、相続時精算課税制度が適用できるようになり、要件を満たすことができずに贈与税の納税猶予を取り消された場合のリスクが低減できます。
◎災害等が発生した場合の要件緩和……例えば、災害により事業用資産の3割以上が損壊した場合は、後継者(相続人等)の要件のうち、相続開始の直前において会社の役員であることが免除されます。
ふるさと納税の返礼品は寄附の3割以下に?
ふるさと納税は、返礼品が充実し利用者が増加していますが、総務省は制度の趣旨に反する返礼品をしないよう各地方団体に要請を行っています。趣旨に反する返礼品には、金銭類似性や資産性が高いもの、高額なもののほか、寄附額に対する返礼品の調達価格の割合(返礼割合)が高いものを挙げており、「少なくとも3割を超える返礼割合のものは3割以下にすること」を求めています。なお、27年度に行われたふるさと納税における返礼割合は、全国平均で4割弱となっています。
教育資金贈与非課税措置の領収書提出方法が拡大
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、祖父母等(受贈者の直系尊属)が孫等(30歳未満)に教育資金を一括贈与する場合、1500万円(塾などの学校等以外に支払う費用は500万円)まで贈与税を非課税とする制度で、利用するには取扱金融機関で専用口座を開設し、教育資金として支出したことを証明する領収書等を金融機関に提出する必要があります。
29年度改正により、金融機関への領収書等の提出は、書面に代えてデータ(PDFファイル等)で送信する方法も可能になり、今年6月以後に提出する領収書等から適用されます。(ただし、金融機関によって対応していない場合もあります)。