8月, 2018年
- 2018-08-31軽減税率対策補助金に関する注意点等
- 2018-08-29証券会社等へのマイナンバーの提供
- 2018-08-27季節商品が不良在庫となった場合は
- 2018-08-24中小企業向け所得拡大促進税制について
- 2018-08-2230年度地域別最低賃金の改定額を確認
- 2018-08-20国税の滞納残高は19連続で減少
- 2018-08-10豪雨災害による資金繰り支援の拡充
- 2018-08-08ID•パスワード方式によるe-Taxの利用
- 2018-08-06ふるさと納税により296万人が住民税控除
- 2018-08-03来月から変わる介護•医療保険制度
- 2018-08-01最低賃金の引上げ目安は全国平均26円
軽減税率対策補助金に関する注意点等
◆補助金の申請等における注意喚起◆
来年10月から消費税率10%への引上げとともに、飲食料品(酒類・外食を除く)と一定の新聞を8%に据え置く軽減税率制度が導入される予定です。
同制度への対応が必要となる中小企業を対象に、複数税率対応レジの導入や受発注システムの改修などに係る費用の一部を補助する「軽減税率対策補助金」は、既に約7万以上の事業者が利用していますが、申請の誤りや不適切な案件が増えていることから経産省・中企庁が注意喚起を行っています。
なお、申請に対する現地調査も実施されており、実際には軽減税率対象商品を販売していない事業者が申請していたケースなどが発見されています。
◆複数税率対応レジの導入等支援のボイン卜◆
同補助金のうち、複数税率対応レジの導入等支援 (A型)に関するポイン卜は、以下のとおりです。
◎申請受付期限……31年9月30日までに導入または改修を終え、代金の支払いを完了したものについて、31年12月16日までに交付申請を行います。
◎対象となる事業者……レジを使用して日頃から軽減税率对象商品を販売しており、将来にわたり継続的に販売するため複数税率対応レジを導入等が必要な事業者が対象です。一時的な販売は該当しません。
◎リースの場合……リース(ファイナンスリースに限る)によるレジの導入等も補助对象となります。 なお、指定リース事業者との共同申請が必須です。
◎中古のレジを導入した場合……登録中古販売事業者から導入した場合に限り对象となります。
◎既に複数税率対応レジを設置している場合……そのレジの入替、改修等に係る費用は申請できません。
証券会社等へのマイナンバーの提供
28年1月以降、証券会社等で証券口座の開設や住所等の変更手続の際には、マイナンバーの提供が必要となっていますが、27年までに証券口座を開設した方については、マイナンバ一の提供が3年間猶予(マイナンバ一の提供が必要な手続きがある場合を除く)されていました。
今年で猶予期間が終了となるため、マイナンバーの提供が済んでいない方は、31年1月以後、最初に株式等の売却代金や配当金等の支払を受ける時までにマイナンバーの提供が必要となります。
季節商品が不良在庫となった場合は
季節商品などが売れ残り、不良在庫となってしまうことがあります。
棚卸資産は著しく陳腐化した場合など、一定の事実が生じた場合に評価損の計上が認められますが、評価損の計上は税務調査で問題になりやすいため、注意が必要です。
なお、陳腐化とは、*流行性の高い季節商品が売れ残り、今後通常の価額では販売することができないことが既往の実績などからして明らかである場合、*形式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発表されたことにより、今後通常の方法で販売することができなくなった場合、などが該当します。
中小企業向け所得拡大促進税制について
30年度税制改正において、国内雇用者に対する給与等支給額を増加させた場合に一定割合を税額控除できる所得拡大促進税制が改組され、30年4月以降に開始される事業年度(個人事業主は31年分)から適用要件等が変わりました。
◆中小企業向け制度の適用要件等◆
◎適用要件……適用年度における「継続雇用者」の給与等支給額が、前年度比で1.5%以上増加していることです。
なお、「継続雇用者」とは、前事業年度から適用年度までの全ての月分で給与等の支給を受けており、 全ての期間で雇用保険の一般被保険者(高年齡者雇 用安定法に定める継続雇用制度の対象者は除く)となっている方です。前年度または適用年度の途中で採用された方などは該当しません。
◎税額控除額……適用年度における「国内雇用者」 の給与等支給額について、前年度からの増加額の15%を税額控除します。ただし、法人税額(個人事業主は所得税額)の20%が上限です。
なお、「国内雇用者」とは、継続雇用者に限定しない全ての国内雇用者が該当します(役員等は除く)
◎上乗せ措置……継続雇用者の給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加しており、かつ、次の①または②のいずれかを満たす場合、税額控除額は前年度 からの増加額の25%になります。
①適用年度の教育訓練費が前年度比で10%以上増加していること
②適用年度の終了までに中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上が確実に行われていること
30年度地域別最低賃金の改定額を確認
30年度の地域別最低賃金ついて、中央審議会が示した目安額などを参考に、各都道府県の地方審議会が審議した改定額の答申が出揃い、23県が目安額を超える引上げとなりました。
これにより、すべての地域で24円以上(24~27円)の引上げとなり、答申された改定額の全国加重平均額は26円引上げの874円となります。
発効日は各都道府県で異なりますが、10月1日~6日までに発効される予定です。厚労省や労働局のホームページ等で確認しましょう。
国税の滞納残高は19連続で減少
国税庁が発表した「平成29年度租税滞納状況」によると、29年度において滞納整理した額(6595億円)が新規滞納額(6155億円)を上回ったため、国税滞納残高は8531億円となり、19年連続で減少しました。
なお、新規滞納額については、消費税が3633億円と全体の約60%を占め、税目別では13年連続で最多となっています。
税金の滞納が続いた場合、財産の差押えや換価 (売却)といった滞納処分を受けることがありますので、納税資金を考慮した資金繰りが重要です。なお、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合、猶予などが認められることがあります。
豪雨災害による資金繰り支援の拡充
平成30年7月豪雨による災害救助法の適用地域は現在、11府県106市町村(7月31日時点)に拡大しています。これに伴い、中小企業・小規模事業者に対する資金繰り支援も拡充され、直接被害を受けた事業者だけではなく、間接的に被害を受けた事業者も対象となる制度もあります。
◎平成30年7月豪雨特別貸付(日本公庫)……①災害救助法が適用された11府県において直接被害受けた事業者、②直接被害事業者と直接取引があり業況が悪化している事業者、③①、②以外で今般の豪雨により業況が悪化している事業者(風評被害による影響を受けた事業者を含む)、を対象に設備・運転資金を融資します。
◎小規模事業者経営改善資金(マル経融資)の拡充 (日本公庫)……マル経融資は、商工会・商工会議所等による経営指導を受けた小規模事業者に対して無担保・無保証人融資を行う制度です。今般の豪雨に伴い災害対応特枠(別枠で1千万円)を措置し、①災害救助法が適用された11府県に所在する直接被害を受けた事業者、②①の直接被害を受けた事業者と一定の取引があり、間接的に被害を受けた事業者、を対象に融資を実施します。
◎小規模企業共済制度の特例災害時貸付創設等(中小機構)……特例災害時貸付を新たに措置し、災害救助法適用地域内に所有する事業資産に直接被害を受けた小規模企業共済契約者に対して、無利子で最高2干万円まで融資します。また、災害時貸付の適用対象を緩和し、豪雨の影響により1力月の売上高が前年同月比で減少することが見込まれる小規模企業共済の契約者に拡充します。
ID•パスワード方式によるe-Taxの利用
来年1月から、個人納税者のe-Taxの利用は、マイナンバー力一ドとICカードリ一ダライタを使用する「マイナンバーカード方式」と、IDとパスワ一ドがあれば利用できる「ID・パスワ一ド方式」の2つの方式になります。
「ID・パスワ一ド方式」は、マイナンバー力一ドとICカードリーダライタを持っていない場合でも、税務署で職員との対面による本人確認を行うことで、e-Tax用のIDとパスワードが発行され、国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxによる送信ができます。
なお、ID・パスワ一ドの申請は、税務署で既に行うことができます。
ふるさと納税により296万人が住民税控除
ふるさと納税を行い、確定申告又はワンストップ特例制度を適用した方は、ふるさと納税を行った翌年度の住民税が減額される形で控除されます。
総務省によると、29年中のふるさと納税(3482億円)により、30年度分の住民税から控除を受けた方は295万9千人(前年度比1.30倍)で、控除額は2448億円(同1.37倍)となりました。
なお、控除を受けた方のうち、ワンス卜ッブ特例制度の適用者数は110万2千人(同1.42倍)、控除額は649億円(同1.45倍)でした。
来月から変わる介護•医療保険制度
来月からの高齢者の介護・医療保険制度について、主に現役並み所得者に対する見直しが行われます。
◎介護保険利用者の負担割合の見直し……介護サービスの利用者負担割合について、65歳以上(第1号被保険者)で現役並みの所得のある方は、3割に引き上げられます。3割負担になるのは、①本人の合計所得金額が220万円以上、かつ②同一世帯の65歳以上の「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯340万円以上、2人以上世帯463万円以上、となる方です。なお、1力月の負担額が4万4400円を超えた場合、超えた金額は高額介護サービス費が支給されます。
◎70歳以上の高額療養費の上限額変更……同月内に支払った医療費が一定の上限額(自己負担限度額)を超えた場合、その超えた額が払い戻される高額療養費制度について、70歳以上の方の上限額(月ごと)が次のように変わります。
*現役並み所得者(年収約370万円以上)について、区分を3つに細分化した上で、70歳未満と同様の所得に応じた限度額に引上げます。また、「外来」の区分が無くなります。
*一般所得者(年収約156万円〜370万円)について、「外来」の上限額を1万8千円(現行1万4千円)に引上げます。
◎高額介護合算療養費制度の見直し……医療保険と介護保険における1年間の自己負担の合算額が限度額を超えた場合に支給される高額介護合算療養費制度について、70歳以上の現役並み所得者(年収約370万円以上)の方は、区分を細分化した上で70歳未満と同様の限度額に引上げます。
最低賃金の引上げ目安は全国平均26円
毎年10月頃に改定される地域別最抵賃金について、中央最低質金審議会が示した30年度の改定額の目安は、全国平均で26円の引上げとなり、3年連続で全ての都道府県が20円を超える大幅な引上げ目安が提示されました。
今後、この目安をもとに各地方最低賃金審議会の審議で改定額を決定しますが、目安どおりに改定された場合、全国平均で時給874円となります。
なお、各都道府県の引上げ額の目安は、経済実態に応じて4ランク(A~D)に分けられ、Aランク・27円は6都府県、Bランク・26円は11府県、Cランク・25円は14道県、Dランク・23円は16県となっています。