2月, 2014年
- 2014-02-28電子記録債権の受領に関する受領書と印紙税
- 2014-02-26貸家建付地の財産評価 家屋に一時的な空室がある場合
- 2014-02-24NISAでも配当金の受取方法で課税対象に
- 2014-02-21医療費控除 介護保険制度下での施設サービスの対価
- 2014-02-19国民年金の2年前納の申込は今月末まで
- 2014-02-17所得税の確定申告における注意点など
- 2014-02-14平成26年度の雇用保険料率は据え置き
- 2014-02-124月をまたぐ取引の消費税の取扱いQ&A
- 2014-02-10拡充や縮小が実施される中小の資金繰り支援
- 2014-02-07日本公庫による保証人特例制度の新設・拡充
- 2014-02-052014年2月のチェックポイント
- 2014-02-03贈与税に係る制度と申告の注意点
電子記録債権の受領に関する受領書と印紙税
売上代金等を電子記録債権で受領した場合に相手方に交付する受領書で電子記録債権を受領したことを明らかにしているものについては印紙税法別表第一第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受領書)に該当せず、印紙税の課税文書とはなりません。
印紙税法に規定する有価証券とは財産的価値のある権利を表彰する「証券」であって、電子記録債権はそれに該当しないからです。
ただし、売上代金を電子記録債権で受領する場合であっても、「上記金額を電子記録債権で受領しました。」など、受領書に電子記録債権を受領した旨の記載がないときは、第17号の1文書に該当することとなります。
貸家建付地の財産評価 家屋に一時的な空室がある場合
貸家建付地とは、所有する土地に建築した家屋を他に貸し付けている場合の、その土地のことをいい、次のように評価します。
貸家建付地の価額=自用地とした場合の価額-自用地とした場合の価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
賃借割合は、その貸家が構造上区分された数個の部分(各独立部分)からなっている場合には、次の計算式で算定します。
賃貸割合=Aのうち課税時期に賃貸中の各独立部分の床面積の合計/家屋の各独立部分の床面積の合計(A)
賃貸割合の算定に当たって、賃貸アパートの一部が一時的に空室になっている場合など、継続的に賃貸されてきたもので、課税時期に、一時的に賃貸されていなかったと認められる各独立部分がある場合には、その各独立部分は、賃貸されていたものとして賃貸割合を計算して差し支えないこととされています。一時的に賃貸されていなかったと認められるかどうかは、次のような事実関係から総合的に判断します。
① 継続的に賃貸されてきたものであること。
② 速やかに新たな賃借人の募集が行われ、空室の間、ほかの用途に供されていないこと。
③ 空室の期間が一時的な期間(課税時期の前後1か月程度など)であること。
④ 課税時期後の賃貸が一時的なものではないこと。
なお、賃貸用として新築された家屋(独立家屋)であっても、課税時期に現実に貸し付けられていない家屋の敷地については、土地に対する制約がないことから、自用地としての価額で評価することとなります。
NISAでも配当金の受取方法で課税対象に
年からNISA(小額投資非課税制度)が開始されましたが、証券会社で開設したNISA口座で貸付けた上場株式の配当金や、ETF・REITの分配金の受取方法について、郵便局等で受け取る「配当金領収証方式」や、指定の銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式・個別銘柄指定方式」を選択している場合、配当金等は非課税にならず、課税(20%)されてしまいます。
非課税とするためには、証券会社の取引口座で受け取る「株式数比例分配方式」を選択する必要がありますので、注意しましょう。
なお、株式投資信託の分配金や、上場株式等の売却益は、配当金受取方式に関わらず非課税です。
医療費控除 介護保険制度下での施設サービスの対価
介護保険制度下での施設サービスの対価のうち介護費、食費及び居住費として支払った額(指定介護老人福祉施設及び指定地域密着型介護老人福祉施設については支払った額の1/2相当額)は、医療費控除の対象となります。ただし、日常生活費及び特別なサービス費用は医療費控除の対象外です。おむつ代は介護サービス費用の中に含まれ、介護保険給付の対象となり、自己負担額が医療費控除の対象になります。
高額介護サービス費として払戻しを受けた場合は、その高額介護サービス費をお医療費の金額から差し引いて医療費控除の金額の計算をします。なお、指定介護老人福祉施設及び指定地域密着型介護老人福祉施設の施設サービス費に係る自己負担額のみに対する高額介護サービス費については、2分の1に相当する金額を医療費の金額から差し引いて医療費控除の金額の計算をすることとなります。
国民年金の2年前納の申込は今月末まで
国民年金では、6ヵ月又は1年分の保険料をまとめて前納することで、毎月納付より割引される前納制度があります(26年度の割引額は1年前納の場合、口座振替3,840円、現金納付3,250円)。
26年度から新たに「2年前納」ができるようになり、14,800円(26年4月~28年3月分)の割引が受けられます。
なお、2年前納の取扱いは口座振替のみとなり、利用する場合には2月末までに申込手続きを行う必要があります。
所得税の確定申告における注意点など
本日から平成25年分所得税の確定申告がスタートします(3月17日まで)。
◆確定申告をする際の主な注意点は?◆
◎医療費控除‥‥入院給付金などがある場合は、補填の対象となった医療費から差し引きます。なお、病気予防や健康増進のための費用(予防接種やビタミン剤など)は対象外です。
◎地震保険料控除‥‥18年12月31日までに締結している長期損害保険契約等に係る損害保険料は、地震保険料控除が適用できます。
◎扶養控除‥‥同居していない場合でも、仕送り等で生計が一であれば適用できます。なお、16歳未満は対象外です。
◎寡婦(夫)控除‥‥夫(妻)と死別もしくは離婚した方で一定要件を満たす場合は、所得控除を受けることができます。
◎給与以外に収入がある場合‥‥FX(外国為替証拠金取引)の利益や、ネットでの収入(アフィリイエトなど)がある場合、必要経費を差し引いた所得が20万円超であれば申告が必要です。
◎上場株式等で損失の繰越控除などを適用する場合‥‥特定口座(源泉徴収あり)でも申告が必要です。なお、申告した場合は、譲渡益等(繰越損失を控除する前の金額)が「合計所得金額」に加算されるため、配偶者控除などに影響が出ることがあります。
◎国外で得た所得がある場合‥‥居住者(非永住者は除く)は国外にある不動産や株式等の譲渡等による所得がある場合、申告が必要です。なお、25年末時点で5千万円超の財産がある方は、国外財産調書を3月17日までに提出する必要があります。
平成26年度の雇用保険料率は据え置き
来年度の雇用保険料率が告示され、今年度と変わらず、一般事業1.35%(事業主負担0.85%)、農林水産清酒製造事業1.55%(同0.95%)、建設事業1.65%(同1.05%)が適用されます。
なお、雇用保険は原則、業種や規模等を問わず労働者を雇用している事業であれば適用されます(65歳に達した日以後に新たに雇用される場合などは除く)。また、非正規労働者については、*31日以上雇用見込み、*1週間の所定労働時間が20時間以上、に該当する場合は適用されます。
4月をまたぐ取引の消費税の取扱いQ&A
Q.消費税が引上げられる4月前後の取引の適用関係は?
A.3月までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、4月以後に行われるものは原則、税率8%が適用されることとなります。(経過措置が適用される場合を除く)。
Q.取引先が3月までに出荷した商品(出荷基準により5%で請求)について、検収基準により仕入れを計上しているため、4月の仕入計上となる場合の仕入税額控除は?
A.税率5%で仕入税額控除の計算を行います。
Q.保守サービスの年間契約(月額〇〇円)を締結し、毎月料金を請求(20日締め)している場合、3月21日から4月20日までの期間に対応するサービスの税率は?
A.月々で役務提供が完了するものと考えられますので、4月20日における税率8%が適用されます。
Q.経過措置の適用を受けている工事に要する課税仕入れを4月以後に行った場合の仕入控除税額は?
A.税率8%で仕入税額の計算を行います。
Q.部分完成基準が適用される建設工事等(経過措置は適用されない)に対する消費税率の適用関係は?
A.それぞれの「部分引渡し」が行われた日により適用税率を判定するため、3月までは5%、4月以後については8%が適用されることとなります。
Q.テナントの賃借料(経過措置は適用されていない)について、3月に前受する4月分の賃借料は?
A.4月以後の資産の貸付として受領するものなので、税率8%が適用されます。
拡充や縮小が実施される中小の資金繰り支援
補正予算が成立し、2月24日から日本公庫等では以下のような低利融資が新設・拡充されます。
◎経営支援型セーフネット貸付‥‥原材料高等や金融機関との取引状況の変化により影響を受けた企業で、認定支援機関等の支援を受ける場合。
◎設備資金貸付利率特例‥‥耐用年数が経過した設備があり、同種の新たな設備投資を行う場合。
◎企業活力強化貸付‥‥給与支払総額を2%以上増額させており、今後も増加させる場合。
なお、不況業種に属する企業を対象に保証協会が100%保証(一般とは別枠)するセーフティネット保証5号は、3月3日から指定業種が大幅に縮小され、196業種(現行642業種)となります。
日本公庫による保証人特例制度の新設・拡充
経営者の個人保証についての自主的なルールとなる「経営者保証に関するガイドライン」が今月から適用されます。これに伴い日本公庫は、個人保証によらない融資制度の新設・拡充を行います。
国民生活事業では、経営者保証の免除制度が新設され、*取引が3年以上で、直近3年間、返済の延滞がない、*法人と経営者個人の資産・経理の明確な分離など、外部専門家(認定支援機関等)による確認を受ける、*中小会計を適用している、などの要件を満たす場合が対象となります。
また、マル経融資や、経営力強化資金などの限度額引上げや金利引下げなどが行われます。
2014年2月のチェックポイント
※贈与税の申告と納付は2月3日~3月17日。
※平成25年分所得税の確定申告と納付は2月17日~3月17日。早めに準備することで経費漏れの防止や正しい申告の節税につながります。
※同業組合・地元経営者組織・金融機関・新聞・雑誌等から賃上げ情報を入手し、自社の経営状況・賃金原資などと併せて検討します。
※2月は「情報セキュリティ月間」です。顧客情報を扱う自社の情報管理体制に不備はないか、情報漏洩の脅威に対する監視を再確認します。
贈与税に係る制度と申告の注意点
本日から25年分の贈与税の申告が開始されます(3月17日まで)。申告が必要なのは、110万円超の財産の贈与を受けた方、相続時精算課税制度や住宅取得等資金の非課税制度などを適用する方です。
◎暦年課税‥‥
基礎控除額は、贈与を受けた人(受贈者)ごとに年間110万円です。複数の人から贈与を受けた場合でも、合計額が110万円以下であれば申告は不要です。
◎相続時精算課税‥‥
65歳以上の親からの贈与税について、暦年課税に替えて適用できます(特別控除額2500万円)。父、母ごとに選択できますが、選択した親が亡くなるまで適用されます。また、暦年課税は適用できませんので、110万円以下の贈与であっても申告をする必要があります。なお、申告期限を過ぎた場合、特別控除の適用は受けられません。
◎住宅取得等資金に係わる贈与税の非課税措置‥‥
25年中に直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合は、一般住宅700万円、省エネ・耐震住宅1200万円まで非課税です(震災被災者は同1000万円、同1500万円)。適用を受けるためには、期限内の申告が必要です。なお、住宅ローンを返済するための資金の贈与は対象外です。
◎教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置‥‥
子や孫(30歳未満)に対して教育資金を一括贈与した場合に1500万円(学校等以外は500万円)まで非課税となる制度が25年4月から開始されましたが、適用手続等は取扱金融機関を経由して行うため、税務署への申告は不要です。ただし、口座契約の終了(受贈者が30歳に達するなど)時点での残額については、贈与税の課税対象となるため申告が必要となる場合があります。