8月, 2016年
- 2016-08-31売れ残った季節商品等の不良在庫がある場合
- 2016-08-29★2016年9月のチェックポイント★
- 2016-08-26災害により資産が損害を受けた場合の税務
- 2016-08-24社保資格取得時の本人確認事務が変更
- 2016-08-22「経営力向上計画」の目標が未達の場合は
- 2016-08-12国税の新規発生滞納額の64%が消費税
- 2016-08-10消費税率引上げ時期の変更に伴う措置
- 2016-08-08ふるさと納税による住民税控除額は999億円
- 2016-08-05領収書等に係るスキャナ保存制度の見直し
- 2016-08-0328年度の地域別最低賃金の引上げ目安額は
- 2016-08-01★2016年8月のチェックポイント★
売れ残った季節商品等の不良在庫がある場合
季節商品などが売れ残り、不良在庫となってしまうことがあります。
不良在庫の破棄を行う場合は、帳薄価額を廃棄損として計上できますが、廃棄の事実を証明する書類を揃えておく必要があります。
また、棚卸資産が著しく陳腐化したと認められる場合は評価損の計上ができます。陳腐化とは、
*流行性の高い季節商品が売れ残り、今後通常の価額では販売することができないことが明らかである場合、*新製品が発表され、今後通常の方法で販売できなくなった場合などが該当します。
なお、評価損の計上は税務調査で問題になりやすいため、注意が必要です。
★2016年9月のチェックポイント★
※9月1日は防災の日。風水害や地震・火炎などについて認識を深め、非常時の備えを再確認。
※9月21日から「全国交通安全運動」。10月1日から始まる「全国労働衛生週間」の準備月間。 改めて交通安全・労働衝生対策を心掛けます。
※7月に提出した、健保・厚年の算定基礎届に基づく新標準報酬は9月分(10月末細付分)から。
※厚生年金保険料率が9月分から18.182%に引上げられるので、新標準報酬とともに保険料額を賃金台帳等に転記し、従業員にも通知します。
災害により資産が損害を受けた場合の税務
地震や台風などの自然災害は未然に防ぐことはできません。被害をできるだけ少なくするためにも、*棚や家具などの転倒防止、*食料や飲料水など非常用品の準備、*避難経路や避難場所の確認、*安否確認の方法、*応急手当や消火器の使い方を身につける、などの防災対策を再確認しましょう。
◆個人の住宅や家財が損害を受けた場合は◆
個人が住宅や家財などに損害を受けた場合、「雑損控除(所得控除)」と「災害減免法(税額倥除)」 のどちらか有利な制度を選ぶことができます。
雑損控除は、住宅や家具、衣類など生活に通常必要なものが対象で、災害だけではなく、盗難や横領による災害も含まれ、「差引損失額一総所得金額等 X10%」又は「差引損失額のうち災害関連支出の金額一5万円」のいずれか多い方の金額が所得から倥除できます。
一方、災言減免法は、災害のあった年分の所得金額が1千万円以下の方で、住宅や家財の損失額が時価の1/2以上であれば適用できます。所得金額により控除額が異なりますが、500万円以下であれば所得税額の全額が控除されます。
◆会社の資産が損害を受けた場合は◆
災害により商品や店舗などが滅失・損壊した場合の損失額や、損壊した資産の取壊し、土砂などを除去するための費用は、損金になります。
また、損傷を受けた店舗や機械などの固定資産について、原状回復のために補修などを行った場合や、被災前の伏態を維持するための補強工事、排水又は土砂崩れの防止などに支出した費用は、修繕費として損金になります。
社保資格取得時の本人確認事務が変更
日本年金機構では、基礎年金番号と住民票コードとの結び付けを促進するため、来月から厚生年金に加入する際の被保険者資格取得届に基礎年金番号が記入されている方についても、住民票コードを特定し、本人確認が行われます。
これに伴い、日本年金機構において届出の氏名・住所等と一致する住民票コードが特定できなかった場合には、事業主宛に被保険者資格取得届を返送し、住民票上の住所等の照会が行われることになります。
「経営力向上計画」の目標が未達の場合は
中小企業等経営強化法により、「経営力向上計画」の認定を受けた中小事業者等は、計画に基づき取得した一定の機械装置の固定資産税が3年間 1/2に軽減される措置や金融支援等を利用することができます。
認定を受けるためには、申請書(2枚)に現状認識や経営力向上の目標及び指標、具体的な取組内容などを事業分野別指針に沿って記載し、提出する必要がありますが、計画に基づいて取組んだ結果、目標が未達となった場合でも認定が取り消されることはありません。
ただし、計画に係る事業が行われていない場合には、認定が取り消される場合があります。
国税の新規発生滞納額の64%が消費税
国税庁が発表した「平成27年度租税滞納状況」によると、28年3月末時点における国税の滞納残高は9774億円(前年度比8.2%減)となり17年連続で減少し、29年ぶりに1兆円を割りました。
なお、27年度に発生した新規滞納額は6871億円(同16.2%増)で2年連続の増加となり、この うち消費税が4396億円(同33.5%増)と全体の約64%を占めています。
税金を滞納した場合は、延滞税が課せられるだけではなく、滞納が続けば財産が差し押さえられることもあります。また、金融機関からの借入が困難になるなど経営に大きな影響が出ますので、納税資金を考慮した資金繰りが重要となります
消費税率引上げ時期の変更に伴う措置
消費税率10%への引上げを2年半延期し、31年10月1日とすることに伴い、10%への引上げが前提となっている税制改正の対応について、与党は「消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置」を取りまとめました。以下の内容を中心として秋の臨時国会に改正案を提出する予定です。
なお、年金受給資格期間の短縮(現行25年を10年)についても消費税率10%引上げ時に実施とされていましたが、先日、閣議決定された経済対策において29年度中に実施する方針が明記されています。
◆消費税率引上げ時期変更に伴う税制上の措置◆
◎軽減税率関係……消費税の軽減税率制度は31年10月1日から導入。あわせて、適格請求書等保存方式の導入時期や、中小事業者の税額計算の特例の適用期限等についても、2年半延期する。なお、大規模事業者には税額計算の特例は措置しない。
◎住宅取得等に係る措置……住宅ロ一ン減税の拡充等の適用期限を33年12月31日まで延長。また、一定の住宅取得者等に対する給付措置(すまい給付金)の対象期間も33年12月31日まで延長する。
◎住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置……住宅の取得対価等に消費税率10%が適用される場合の非課税枠の拡大措置(最大3千万円)は、31年4月〜33年12月に導入。なお、28年1月から適用されている非課税枠(耐震等住宅1200万円、それ以外700万円)は32年3月まで延長(東日本大震災の被災者は異なる)。
◎車休課税の見直し……自動車取得税の廃止、自動車税及び軽自動車税における環境性能割の導入をそれぞれ31年10月1日に延期する。
ふるさと納税による住民税控除額は999億円
総務省によると、27年中に行われたふるさと納税額は1470億円(前年比4.3倍)で、確定申告又はワンス卜ップ特例制度(確定申告を行わなくても控除が受けられる制度)の適用により28年度の個人住民税から控除を受けた方は129.5万人(同3.0倍)、その控除額は998.5億円(同5.4倍)となりました。
なお、確定申告をしない給与所得者等が対象となるワンス卜ップ特例制度は、控除を受けた方のうち42万人が適用しています。
領収書等に係るスキャナ保存制度の見直し
国税関係書類(契約書、領収書等)に係るスキャナ保存制度は、27年度税制改正において、3万円以上の契約書・領収書等も対象となり、電子署名が不要となるなどの要件緩和等が行われましたが、28年度改正では以下の見直しが行われます。
◆28年度改正におけるスキャナ保存の見直し◆
◎読取装置の要件緩和……スキャナについて「原稿台と一体となったもの」に限定する要件を廃止し、スマー卜フォンやデジタルカメラ等による読み取りも可能になります。
◎受領者等が諸み取りを行う場合の手続の整備…… 契約書、領収書等を作成・受領する者(受領者等)がスキャナで読み取りを行う場合には、次の事項がスキャナ保存に係る承認の要件となります。
①領収書等の受領者等は、その書類に署名した上で、特に速やか(3日以内)にタイムスタンプを付さなければならない。
②書類の大きさがA4以下の場合、大きさに関する情報の保存は不要とする。
③相互けん制要件について、受領等事務と読み取り事務をそれぞれ別の者が行うこととする要件が不要とされ、受領者等以外の者が記録事項の確認を行うことが要件となる。
◎相互けん制要件に係る小規模企業者の特例……従 業員数20人以下(商業又はサービス業は5人以下)の小規模企業者は、税理士等の税務代理人が定期的な検査を行うこととしている場合に、相互けん制要件が不要となります。
◎適用関係……上記は29年1月1日から開始されます(28年9月30日以後の承認申謂から適用)。
28年度の地域別最低賃金の引上げ目安額は
毎年10月頃に改定される地域別最低質金について、中央最低質金審議会が答申した28年度の引上げ額の目安は、全国加重平均で24円となり、全ての都道府県で20円を超える大幅な引上げが示されました。
今後、この目安を参考に各都道府県の地方最低賃金審議会が審議を行い、改定額を決定しますが、目安額どおりに改定された場合は、全国加重平均で時給822円となります。
なお、各都道府県の引上げ額の目安は、4ランク(A25円、B24円、C22円、D21円)に分けて提示しており、Aは5都府県、Bは11府県、 Cは14道県、Dは17県となっています。
★2016年8月のチェックポイント★
※夏季休業を行う企業は、日程を取引先に通知すると同時に取引先の日程も確認して、納品・出荷や支払い・集金などを調整します。
※一斉休業中の防犯対策や、パソコンなどデータのパックアップを行います。
※夏季休業明けは疲労がたまる時期です。交通事故や労働災害などを防止するため、適度な休憩を設け健康管理と安全対策の徹底をします。
※台風シーズンを迎え、商品・設備の水濡れ防止や緊急持ち出しなど風水害への対策を。