12月, 2017年
- 2017-12-28平成30年度税制改正大綱(主な中小関連)
- 2017-12-27★2018年1月のチェックポイント★
- 2017-12-26◆年末年始休業のお知らせ◆
- 2017-12-25医療費控除を受ける場合の準備は
- 2017-12-22平成3 0年度税制改正大網(主な個人関連)
- 2017-12-2028年における相続税の課税割合は8.1 %
- 2017-12-18個人事業者の方は12月が決算月です
- 2017-12-15上場株式、FX、仮想通貨に係る確定申告
- 2017-12-13売掛金の回収・管理が事業継続に重要
- 2017-12-11年賀はがきの投函日に注意!
- 2017-12-08来年からの配偶者控除等に関するQ&A
- 2017-12-06ワンストップ特例が適用されない場合
- 2017-12-04★2017年12月のチェックポイント★
- 2017-12-01来年から変わる求人・募集に関するルール
平成30年度税制改正大綱(主な中小関連)
◎所得拡大促進税制の改組……基準年度(24年度)との比較要件を廃止し、①給与等支給額が前年度以上、②平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加した場合、前年度からの支給増加額の15%を税額控除できる制度にします。また、②が2.5%以上であり、人村投資など一定要件を満たす場合は25%の税額控除とします。30年4月以後開始事業年度に適用。
◎設備投資に係る固定資産税の特例の創設……「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」に基づき、先端設備等導入計画の認定を受けた中小事業者等が取得する一定の機械・装置等について、固定資産税を3年間、50〜100% (市町村の条例で定める割合)減額する特例措置を創設します。臨時措置法の施行日から適用。
◎事業承継税制の特例の創設等……10年間の特例として、*納税猶予の対象株式数の上限撤廃、*相続税の納税猶予割合を100%に引上げ、*雇用維持要件(5年間平均で8割を維持)を満たせなかった場合でも納税猶予を継続可能(理由の報吉が必要)、*経営環境の変化に対応した減免制度を創設する、等を講じます。30年1月から適用。
◎外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し……一般物品について、一定の包装等を行う場合は消耗品との合計金額で免税対象となる下限額を判定できます(合計5千円以上で対象)。30年7月から適用。
◎青色申告特別控除(65万円)の見直し……①仕訳帳・総勘定元帳の電磁的記録の備付け及び保存、②確定申告書、貸借对照表等をe-Taxで提出、いずれかを満たさない場合は、控除額を55万円に引下げます。32年以後の所得税に適用。
★2018年1月のチェックポイント★
※年末調整で過不足を精算した後の源泉所得税の納付期限は1月10日(水)です。
※納期の特例を受けている企業の源泉所得税(7月〜12月分)の納付期限は1月22日(月)です。6力月分をまとめて納税するので資金繰りの確認をしておきます。
※1月分給与計算の前に30年分「扶養控除等申告書」を受理し、源泉徴収薄等に各事項を転記。
※1月末までに提出する「法定調書」「給与支払報告書」「償却資産申告書」の事務があります。
◆年末年始休業のお知らせ◆
今年もあとわずかとなりました。
さて、当事務所の年末年始休業は下記のとおりです。
12月29日(金)〜 1月3日(水)
皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
医療費控除を受ける場合の準備は
医療費控除を受ける方は、確定申告の際に領収書ではなく「医療費控除の明細書」の提出が必要となりました(31年分まで領収書の添付でも可)。
明細書(国税庁HP等で入手)には「医療を受けた方」、「病院・薬局などの支払先」ごとに医療費の台計額を記入するので、①領収書を本人や生計を一にする親族ごとに分ける、②①を支払先ごとに分ける、③各医療費を集計して記入する、といった手順になります(領収書は5年間保存)。
なお、健康保険組台等が発行する医療費通知(医療費のお知らせなど)を添付した場合は、明細書の記入を省略できます(通知の発行時期などは保険組合によって異なりますが、2月頃が多い)。
平成3 0年度税制改正大網(主な個人関連)
◎基礎控除の見直し……控除額を一律10万円引上げて48万円にします。ただし、所得金額が2400万円を超える場合は控除額を逓減し、2500万円超の場合は基礎控除を適用できません。32年以後の所得税に適用。
◎給与所得控除の見直し……控除額を一律10万円引下げます。また、給与収入が850万円を超える場合の控除額は195万円が上限となります(特別障害者に該当する場合や22歳以下の扶養親族が同一生計内にいる場合など、一定の方には負担増が生じないように最大15万円を控除)。なお、基礎控除の引上げにより給与収入850万円以下の場合、税負担は変わりません。32年以後の所得税に適用。
◎公的年金等控除の見直し……控除額を一律10万円引下げ、公的年金等の収入金額が1千万円を超える場合の控除額は195万5千円が上限となります。また、公的年金等以外の所得金額が1千万円を超える場合は控除額を10万円引下げ、2干万円超の場合は 20万円引下げます。32年以後の所得税に適用。
◎小規模宅地等の特例の見直し……被相続人の配偶者や同居親族がいない場合、相続開始前3年以内に自己所有の家屋に居住したことがない別居親族も特例を適用できますが、*3親等内の親族又は特別の関係のある法人が所有する家屋に居住していた、* 相続開始時において居住用家屋を過去に所有していたことがある場合は、対象から除外されます。また、貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に資付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている場合は 除く)を除外します。30年4月以後の相続等に適用。
28年における相続税の課税割合は8.1 %
国税庁が公表した28年分の相続税の申告状況によると、28年中に亡くなった方(被相続人)は約131万人で、そのうち約10万6千人が相続税の課税対象となり、課税割合は8.1%でした。
被相続人1人当たりの課税価格は1億3960万円、税額は1764万円となっています。
相続税は、27年からの基礎控除額引下げ(3千万円+600万円X法定相続人数)により課税対象となる方が大幅に増加しています。まずは相続財産を把握した上で、対策が必要な場合はできる限り早く取組みましょう。また、課税の有無に関係なく、遺産分割で“争族”にならないためにも遺言書の作成などの事前準備が大切です。
個人事業者の方は12月が決算月です
決算に備えて、売上・仕入・経費などの帳薄を作成し、値引き・返品等の計上漏れ、請求書・領収書などの有無を確認します。早めの準備と対策が正しい申告と節税の基本です。
12月末時点で現金・預貯金残高、売掛金・受取手形・貸付金などの債権、買掛金・支払手形・借入金などの債務残高および内訳を確認します。
なお、たな卸は12月末に行いますが、繁忙のため厳しい場合は早めに行い、その後は仕入・売上等の記録を元に在庫の把握をすることもできます。
上場株式、FX、仮想通貨に係る確定申告
◎上場株式等……特定口座(源泉徴収あり)を利用している場台は原則、確定申告は必要ありませんが、譲渡損失の繰越控除や、複数の口座間で損益通算する場合は、確定申告が必要です(確定申告をした場合、譲渡益等が「合計所得金額」に含まれるため、記偶者控除などに影響が出る可能性があります)。
なお、NISA口座については、繰越控除や損益通算は適用できません。
◎ FX (外国為替証拠金取引)……FXで得た利益 (必要経費を差し引く)は、「先物取引に係る雑所得等」として、一律20.315%の申告分離課税となります。複数の業者でFX取引している場合や、他の先物取引(先物取引に係る雑所得等に該当するもの)がある場合は、それらの間で損益通算が可能です。また、損益通算をしても損失が残った場合は翌年以後3年間にわたり繰り越すことができます。
なお、給与所得者(給与収入2千万円以下)の場合、給与・退職所得以外の所得金額が合計20万円を超える方は、確定申告が必要となります。
◎仮想通貨……ビッ卜コインをはじめとする仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益は、原則として雑所得に区分されます。購入した仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合は、売却価額と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。 また、商品購入の決済に使用した場合は、使用時点での商品価額と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。
なお、FXと同様に給与所得者の場合は、仮想想通貨による所得金額が含計20万円を超える方は、確定申告が必要です。
売掛金の回収・管理が事業継続に重要
企業にとって売上を伸ばすことは重要なことですが、商品(サービス)を売っても、売掛金を回収できなければ、商品の代金だけではなく、売るまでに費やしたコス卜も損失となるため、その分を取り戻すには同じ商品を何倍も売らなくてはなりません。
また、売掛金の回収までの期間が長くなれば、仕入先などへの支払いが厳しくなるため、最悪の場合は黒字倒産に繫がります。
このように売掛金の回収・管理をおろそかすれば、資金繰りの悪化を招きますので、売上を伸ばすだけではなく、売掛金の回収・管理を徹底することが事業継続のための重要な業務となります。
年賀はがきの投函日に注意!
今年6月から、はがきの郵便料金が10円引上げられ62円になりましたが、年賀はがき(「年賀」と朱記した私製はがきを含む)については52円に据え置かれています。
しかし、年賀はがきに52円が適用されるのは、「12月15日〜来年1月7日投函分」となります。そのため、1月8日以降に投函した場合などは原則、通常はがきとして62円の郵便料金が適用されることから、52円の年賀はがきに10円切手を貼り足さないと料金不足になるので注意しましょう。
来年からの配偶者控除等に関するQ&A
配偶者控除・配偶者特別控除の見直しに伴う改正が30年分以後の所得税について適用されます。
◆Q&A◆
Q.配偶者控除等を適用できるのは?
A.納税者本人の合計所得金額が1千万円(給与収入のみの場合1220万円)以下で、生計を一にする配偶者の合計所得金額が123万円(同201万円)以下の場合が適用対象となります。なお、納税者の合計所得金額が900万円(同1120万円)を超えている場合は控除額が逓減します。
Q. 30年分の「給与所得者の扶養控除等申告書」に記載する「源泉控除対象配偶者」とは?
A.合計所得金額が900万円以下である給与所得者と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が85万円 (同150万円)以下である方をいい、控除額が満額の38万円となる配偶者です。該当する場合は、源泉徴収税額を求める際の扶養親族等の数に1人を加えて計算します。
Q.源泉控除対象配偶者に該当するかどうかは、どの時点で判断?
A. 30年分の「給与所得者の扶養控除等申告書」を 提出する日の現況により判定します。合計所得金額については、例えば、直近の源泉徴収票や給与明細書を参考にして見積もった金額により判定します。
Q.源泉控除対象配偶者に該当しない場合の配偶者控除等の適用は?
A.配偶者控除等の適用対象となる方で、源泉控除対象配偶者に該当しない場合の控除については、源泉徴収税額の計算では考慮されませんが、年末調整により適用を受けることができます。
ワンストップ特例が適用されない場合
ふるさと納税をした場合に、確定申告を行わなくても控除が受けられるワンス卜ップ特例は、寄附先の自治体に特例に関する由請書を提出することで適用できます(この場合、所得税の控除は行われず、翌年度の住民税から所得税控除分を含めた額が控除されます)。
ただし、*6団体以上に特例を申請した、*申請書に記載した住所地から転居したが変更届をしていない(寄附した翌年1月10日までに申請先に届出が必要)、*医療費控除などのために確定申告をする、といった場合には特例は適用されないため、確定申告によりふるさと納税に係る寄附金控除を受けることになります。
★2017年12月のチェックポイント★
※年末調整事務で必要な「扶養控除等(異動)申告書」や「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」および各種所得控除を受けるための証明書類を各社員から提出してもらいます。
※年末・年始の資金繰りを再確認し、借入が必要なら早めに取引金融機関と折衝します。
※この時期、長時間労働になりがちなことを踏まえ、適切な配置など労務管理を行います。
※多忙や忘年会などでの過労やス卜レスで体調を崩さぬよう、社員の健康管理を心がけます。
来年から変わる求人・募集に関するルール
職業安定法の改正に伴い、来年1月から労働者の募集や求人申込みに関するルールが変わります。
◆労働条件などの明示ル一ルを強化◆
ハロ一ワーク等への求人申込みや、ホームページ等で労働者の募集を行う際、求人票や募集要項に明示しなければならない労働条件等として、以下の事項が追加されました。
◎試用期間……試用期間の有無、試用期間があるときはその期間や労働条件を明示します。
◎労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称
◎派遣労働者として雇用しようとする場合、その旨
◎固定残業代を支給する場合……賃金に関して、固定残業代を支給する場合は、*手当ての額、*固定残業時間数、*手当てを除いた基本給の額、*固定残業時間を超えた場合に割増賃金を追加で支給する旨、などを明示します。
◎裁量労働制を採用する場合……労働時間に関して、裁量労働制を採用する場合は、その旨を明示します。
◆労働条件等の変更等に係る明示◆
また、求職者との労働契約締結前に、求人募集の際に明示した労働条件が変更される場合は、求職者に変更内容を速やかに明示しなければならないこととされました。これは、当初の明示の範囲内で特定された労働条件を堤示する場合(例えば、当初「月給25万円〜30万円」と示し、「月給25万円」に確定する場合など)も該当します。
変更の明示方法は、①当初の明示と変更された後の内容を対照できる書面を交付する、②労働条件通知書において、変更された事項に下線を引く、着色する、脚注を付ける、といった方法で行います。