7月, 2021年
- 2021-07-30メダリストに対する報奨金などは非課税所得
- 2021-07-28夫婦共同扶養の場合における扶養認定基準
- 2021-07-26休業支援金の申請期限にご注意を
- 2021-07-21令和3年度地域別最低賃金の引上げ目安は
- 2021-07-20月次支援金の対象月に8月分が追加
- 2021-07-19抜本的に見直される電子帳簿保存法
- 2021-07-16災害により資産に損害を受けた場合は
- 2021-07-14今月から「生命保険契約照会制度」が開始
- 2021-07-12雇調金特例は現在の助成内容を9月まで延長
- 2021-07-09令和3年分の路線価が公表
- 2021-07-07本年10月から免税販売手続の完全電子化
- 2021-07-05コロナ感染防止とともに熱中症予防も
- 2021-07-02通常国会で4月以降に成立した主な改正法等
メダリストに対する報奨金などは非課税所得
メダリストに対する報奨金などは非課税所得
現在開催されている東京オリンピックでは、多くの日本人選手がメダルを獲得しています。
◆メダリストに対する報奨金の非課税措置
オリンピック・パラリンピックのメダリストに対しては、獲得したメダルに応じてJOC (日本オリンピック委員会)又はJPSA (日本障がい者スポーツ協会)から報奨金が交付されます (JOCの場合は金500万円、銀200万円、銅100万円)。 この報奨金は、所得税を課さない非課税所得となっています。 |
また、令和2年度税制改正により各競技統括団体からメダリストに対して交付する報奨金の非課税措置が拡充され、JOC又はJPSAの加盟団体から交付される報奨金は、金500万円、銀200万円、銅100 万円まで非課税となります。 |
◆非課税所得となる主なものは
メダリストに対する報奨金のほかに、次のような所得も非課税所得となります。
◎ノーベル賞等・・・・・・ノーベル賞として交付される金品や、文化功労者に対する年金など。
◎学資金等・・・・・・学資に充てるため給付される金品及び扶養義務を履行するため給付される金品。
◎生活用動産の譲渡・・・・・家具や衣服等の生活に通常必要な動産の譲渡による所得。
◎損害保険金等・・・・・心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基づいて受け取る保険金、損害賠償金、慰謝料など。
◎宝くじの当選金等・・・・・・宝くじの当選金やスポーツ振興投票券(toto)の払戻金など。
◎国・自治体の子育てに係る助成・・・・・・ベビーシッター利用料等に対する助成など(令和3年分から適用)。
夫婦共同扶養の場合における扶養認定基準
夫婦共同扶養の場合における扶養認定基準
共働き世帯が増えたことにより、年収がほほ同じ夫婦の子について、どちらの健康保険の被扶者とするかという問題がありましたが、取り扱い基準を明確化した「夫婦共同扶養の場合における扶養認定基準」が発出され、本年8月1日から適用されることになります。
基本的には、被扶養者の数にかかわらず、被保険者の年間収入が多い方の被扶養者となります。 (過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの) |
また、夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とします。
休業支援金の申請期限にご注意を
休業支援金の申請期限にご注意を
新型コロナの影響により休業となった労働者 (大企業の場合はシフト制労働者等が対象)のうち、休業手当を受けていない方は休業支援金・給付金の支給申請ができます。
中小企業の労働者 令和2年10月~令和3年4月の休業(シフト制労働者等は令和2年4~9月の休業を含む)、 大企業の労働者 令和2年4~6月及び令和3年1~4月の休業(一部都道府県は令和2年11月以降の時短要請期間を含む) 申請期限が、今月末までとなっています。 |
令和3年度地域別最低賃金の引上げ目安は
令和3年度地域別最低賃金の引上げ目安は
毎年10月頃に改定される地域別最低賃金は、中央最低賃金審議会が各都道府県の地方審議会における審議の参考として、改定額の「目安」を提示していますが、令和3年度の目安は、全都道府県において28円の引上げ(引上げ率3.1%)となり、過去最高額の引上げ目安となりました。
今後、この目安をもとに各地方審議会において審議が行われ、改定額が決定されますが、目安どおりに改定された場合、全国加重平均で時給930円となります。
なお、令和2年度では新型コロナによる経済・雇用の影響等を踏まえ目安を示さず、最低金の引上げ率は0.1%(1円)でした。
月次支援金の対象月に8月分が追加
月次支援金の対象月に8月分が追加
本年4月以降の緊急事態置等に伴う「飲食店の休業・時短営業」又は「外出自粛等」の影響を受けて、月間売上が前年又は前々年の同月比で50%以上減少した中小法人・個人事業者等に対する月次支援金(法人20万円/月、個人10万円/月が上限)について、対象月に8月が追加され、4~8月分が対象となりました。
現在、4~6月分の申請(4・5月分は8月15日、6月分は8月31日まで)が行われおり、7月分は8月1日、8月分は9月1日から申謂できます。 |
抜本的に見直される電子帳簿保存法
抜本的に見直される電子帳簿保存法 (令和4年1月1日から施行)
経済社会のデジタル化を踏まえ、令和3年度税制改正において電子帳簿保存法の抜本的な見直しが行われました。
◆令和3年度税制改正による主な見直しは
電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類を一定要件の下、電子データで保存できることや、電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めたもので、
①電子帳簿等保存 (電子的に作成した国税関係帳簿書類をデータのまま保存)、 ②スキャプ保存 (紙で受領・作成した領収等の書類を画像データで保存)、 ③電子取引 (電子的に授受した取引情報を一定方法により保存) の3種類に区分されています。 |
改正による主な見直しは次のとおりです(既に承認を受けて電子保存を行っている方が改正後の要件で保存を行う場合は承認の取りやめ手続が必要)。
①電子帳簿等保存 *税務署長の事前承認を廃止、 *モニター、説明書の備付け等の最低限の要件を満たす電子帳簿(正規の簿記の原則に従って記帳されるものに限る)もデータのまま保存等が可能、 *ー定要件を満たす優良な電子帳簿に対する過少申告加算税の軽減措置が設けられます。 ②スキャナ保存 *税務署長の事前承認を廃止、 *タイムスタンプの付与期間を約2カ月以内とし、書類の受領者等がスキャナで読み取る際の自署を不要とするなど要件を緩和、 *適正事務処理要件(相互けん制、定期的な検査等)を廃止、 *データの改さん等に対する重加算税の加重措置、など。 ③電子取引 *タイムスタンプの付与期間を2カ月以内とするなど要件を緩和、 *取引情報に係るデータを出力した書面等で保存する措置を廃止、など。 |
災害により資産に損害を受けた場合は
災害により資産に損害を受けた場合は
今月1日からの大雨により各地で被害が出ており、現在、静岡・鳥取・島根・鹿児島の7市2町に災害救助法が適用されています。
◆個人の住宅や家財などが損害を受けた場合
◎罹災証明書の申請
住宅に被害を受けた場合は、被害の程度を証明する「罹災証明書」の発行を自治体に申請します。
各種被災者支援制度を利用する場合などに必要となります。
◎所得税の軽減・免除
住宅や冢財などに損害を受けた方は、「雑損控除(所得控除)」又は「災雪減免法による所得税の軽減免除(税額控除)」のどららか有利な方法を選択し、所得税を軽減できます。
◎住宅ローン控除の特例
住宅が災害によって居住できなくなった場合は、その後も引き続き住宅ローン控除の適用できる等の特例があります。
◆会社の資産に損害を受けた場合
◎滅失・損壊した資産等
災害により商品や店舗などが滅失・損壊した場合の損失額や、損壊した資産の取壊し、土砂などを除去するための費用は損金になります。
また、棚卸資産や固定資産等に著しい損傷が生じ、時価が帳簿価額を下回る場合には、その差額を評価損として損金篁入できます。
◎復旧のための費用
損傷を受けた固定資産(評価損を計上したものを除く)の原状回復のため補修などを行った場合は、修繕費として損金になります。
◎災害損失欠損金の繰戻しによる還付
災害のあった事業年度に災害損失欠損金額がある場合は、その事業年度開始の前1年(青色申告の場合は前2年)以内に開始した事業年度に納付した法人税額から還付を受けることができます。
今月から「生命保険契約照会制度」が開始
今月から「生命保険契約照会制度」が開始
これまで亡くなった方や、認知症等により認知判断能力が低下した方に関する生命保険契約の存在が不明な場合には、生命保険各社へ個別に照会を行う必要がありました。
今月から、 生命保険協会に照会を申し込む(国内で営業する全ての生命保険会社が加盟) 対象者の生命保険契約の有無を各社に一括して確認し、照会者に回答するサービス「生命保険契約照会制度」が始まりました (災時を除き、利用料3千円や類の提出が必要)。 |
なお、本制度を利用できる方(照会者)は、照会対象者の法定相続人や法定代理人など一定の方に限られます。
雇調金特例は現在の助成内容を9月まで延長
雇調金特例は現在の助成内容を9月まで延長
今月12日から、緊急事態措置区域は東京・沖縄、まん延防止等重点措置区域は埼玉・千葉・神奈川・大阪となることを踏まえ、新型コロナに伴う雇用調整助成金等の特例措置は本年5月以降の助成内容を9月末まで継続する予定です。
地域特例(緊急事態措置区で知事の要請を受け時短営業等に協力)や業況特例(売上高等の最近3カ月平均が30%以上減少)に該当する事業主は、助成率は4/5 (解雇等を行わない場合は10/10)、日額上限1万5千円となります。
令和3年分の路線価が公表
令和3年分の路線価が公表
国税庁は、相続税や贈与税において土地等の評価を算定する際の基準となる令和3年分の路線価及び評価倍率を公表しました。
◆令和3年分の路線価は6年ぶりに下落
路線価等は1月1日を評価時点として地価公示価等を基にした時価の80 %程度を目途に評価してり、その年の相続、遺贈又は贈与で取得した土地等の評価額の基準として例年7月に公表されます。
令和3年分は、新型コロナの影響で観光地や繁華街などの地価が下落したことにより、全国の標準宅地における評価基準額の全国平均は前年比マイナス0.5 %となり、6年ぶりに下落しました。
都道府県別でみると、上昇したのは7道県で、福岡県が最も高い上昇率(1.8%)となっています。
なお、全国の路線価で最も高かったのは、36年連続で東京都中央区銀座5丁目「銀座中央通り」(1㎡当たり4592万円)ですが、9年ぶりの下落(7.0%) なりました。
◆相続等で取得した土地の評価方法は
相続等で取得しに土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があり、路線価(道路に面する標準的宅地の1㎡当たりの価額)が定められている土地形状等に応じて補正した路線価を面積に乗じて計算します。
一方、路線価が定められていない土地は固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計篇します。
なお、被相続人(亡くなった方)の居住又は事業に使われていた宅地を相続により取得した場合、一定要件を満たせは相続税評価額を大幅に減額できる「小規模宅地等の特例」が適用できます。
(居住用宅地の場合は330㎡まで80%減額)
本年10月から免税販売手続の完全電子化
本年10月から免税販売手続の完全電子化
外国人旅行者等に通常生活に使用される物品を販売する場合に消貸税を免除して販売できる免税店(輸出物品販売場)は年増加していましたが、観光庁によると、本年3月末日時点で全国5万4722店と半年前の調査から0.7%減少しました。
なお、昨年4月に免税店における免税販売手続が電子化されましたが、経過措置として本年9月まで従来の書面による手続も可能となっています。
本年10月以降は完全電子化となり、免税販売を行うには、購入記録情報をインターネット回線等を通じて国税庁へ送信する必要があります。
未対応の事業者は購入記録情報の送信方法の決定し、税務署へ届出書を提出する必要があります。
コロナ感染防止とともに熱中症予防も
コロナ感染防止とともに熱中症予防も
熱中症は7月頃から多く発生していますので、新型コロナの感染防止とともに注意が必要です。
特にマスク着用は、熱中症のリスクが高くなりますので、屋外で人と十分な距離が確保できる場合は、マスクをはずすようにします。
また、のどが渇いていない場合でもこまめに水分補給します。
☆7月12日(月)は、 *納期の特例適用者源泉所得税の納付期限(1月~6月分)、 *健保・厚年の算定基礎届の提出期限、 *労働保険の年度更新の申告・保険料納付等の手続き期限です。 |
通常国会で4月以降に成立した主な改正法等
通常国会で4月以降に成立した主な改正法等
閉会した第204回通常国会において、4月以降に成立した主な改正法等は次のとおりです。
◎民法等の改正 所有者不明土地の発生防止のため、不動産の所有権の登記名義人が亡くなり、相続等により所有権を取得した相続人に対して、3年以内に所有権の移転登記の申請を義務付けるなど。 |
◎育児・介護休業法等の改正 男性の育児休業取得促進のために子の出生後8週間以内の4週間まで育児休業を取得できる枠組みの増設や、妊娠・出産の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知及び休業取得の意向確認を義務付けるなど。 |
◎健康保険法等の改正 後期高齡者医療の被保険 (75歳以上)のうち、一定以上の所得(単身世帯場合は課税所得28万円以上かつ年収200万円以上)がある方の窓口負担割合を2割に引上げるなど。 |
◎産業競争力強化法等の改正 令和3年度税制改正で創設されたカーボンニュートラルに向けた投資促進税制や、デジタル技術を活用した企業変革(デジタルトランスフォーメーション)を促進するDX 投資促進税制、中小企業経営資源集約化(M&A)税政の適用の前提となる認定制度の創設など。 |
◎特定商取引法等の改正 通販の詐欺的な定期購入商法や特送り付け商法の対策強化、販売を伴う預託等取引の原則禁止など。 |
◎その他 *憲法改正の国民投票の利便性を高める国民投票法の改正、 *安全保障上重要な土地等の利用状況の調査や利用を規制する重要土地等調査法、 *デジタル庁の設置などデジタル改革関連法、 *成年年齢引下げに伴い18、19歳の犯罪を厳罰化する少年法の改正、など。 |