欠損金が生じた場合の繰越控除と繰戻還付

カテゴリー: 会計トピックス 
2022-06-13

欠損金が生じた場合の繰越控除と繰戻還付

 国税庁が公表した「令和2年度分会社標本調査」によると、法人数279万560社(連結子法人を除く)のうち欠損法人は173万9778社で、その割合は62.3%(前年度比0.7ポイント増)と11年ぶりに増加しました。

◆欠損金を10年間繰り越す「繰越控除」

 青色申告書を提出する法人に欠損金(税務上の赤字)が生じた場合、適用できる制度には「繰越控除」と「繰戻還付(中小法人等に限る)」があります。

 欠損金の繰越控除は、欠損金が生じた事業年度の翌事業年度以降10年間(平成30年4月1日前に開始した業年度における欠損金は9年間)にわたり欠損金を繰り越すことができ、繰越期間中の各事業年度で生じた所得金額から控除する制度です。

 ただし、中小法人等以外については控除できる金額に制限が設けられており、所得金額の50%が控除限度額となります。

 なお、繰越欠損金が2以上の事業年度において生じている場合には、最も古い事業年度の欠損金から順に控除をします。


◆前事業年度の所得と相殺する「繰戻還付」

 欠損金の繰戻還付は、欠損金が生じた事業年度の前1年(災害損失欠損金については前2年)以内に開始した事業年度において所得金額がある場合に欠損金を繰り戻すことで既に納めた法人税から、欠損金の分の還付を受けることができる制度です。

 繰戻還付の適用は、原則として資本金1億円以下の中小法人等に限られていますが、新型コロプ税特法の特例により資本金1 0億円以下の法人も令和4 年1月終了事業年度まで適用可能とされていました。


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