非上場株式等に係る法人版事業承継税制
カテゴリー: 会計トピックス
2021-06-18
非上場株式等に係る法人版事業承継税制
中小企業の事業承継を支援する税制として、後継が非上場会社の株式等や個人事業者の業用資産を与又は相続等により取得した場合に、一定の要件のもと、贈与税や相続税の納税を猶予・免除する事業承継税制があります。
◆法人版事業承継税制の特例は時限措置
非上場株式等が対象となる法人版事業承継税制には、「一般指置」と平成30年度税制改正で10年間の措置として設けられた「特例指置」があります。
特例指置では、下記3点を満たせなかった場合でも、その理由を記載した書類を提出することで納税猶予を継続可能など、一般措置を拡充した制度となっています。
*納税猶予の対象となる非上場株式等の制限を撤廃し、全株式を対象、 *納税猶予割合は100 %、 *雇用維持要件(雇用の8割を維持) |
この特例措置は、令和5年(2023年) 3月までに会社の後継者や承継時までの経営見通し等を記載した「特例承継計画」を都道府県に提出し、確認を受けた場合が対象となり、令和9年(2027年)12月までの間の贈与・相続等について適用されます。
◆令和3年度改正による後継者役員要件の緩和
非上場株式等に係る相続税の納税猶予では、原則として後継者は被相続人の相続開始の直前において会社の役員である必要がありますが、令和3年度税制改正において後継者の役員要件が緩和されました。
これにより、特例措置については、①被相続人が70歳未満(改正前60歳未満)で死亡した場合、②後継者が特例承継計画に特例後継者として記載されている者である場合に、役員要件は不要となります (①は一般制度についても同様)。
←「ふるさと納税等による住民税の控除を確認」前の記事へ
次の記事へ「雇調金特例は現行措置を8月まで継続」→