「下請法」と「消費税転嫁対策特措法」
カテゴリー: 税務・会計の最新チェックポイント
2019-11-01
毎年11月は「下請取引適正化推進月間」として、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の普及・啓発が集中的に行われます(今年度の標語は「無茶な依頼しない させない 受け入れない」)。
また、消費税引き上げ後の転嫁拒否行為について、中小事業者に対する悉皆的な書面調査も今後実施されます。
♦下請法による親事業者の義務と禁止行為
下請法は、物品の製造や修理、情報成果物作成、役務提供の委託取引が対象となり、取引内容に応じて規定されている資本金区分に該当する場合に適用されます。
対象取引の親事業者に対しては、発注時の書面交付など4項目の義務と、受領拒否(発注した物品等の受領を拒む)や、支払遅延(支払期日までに代金を支払わない)、減額(あらかじめ定めた金額を減額する)、買いたたき(通常の対価に比べて著しく低い代金を不当に定める)など11項目の禁止事項が定められています。
♦消費税の転嫁拒否行為を禁止する措置
今月から消費税率が10%に引き上げられましたが、消費税転嫁対策特措法では、大規模小売事業者(売上100億円以上など)と継続して取引している事業者や、法人と継続して取引している資本金3億円以下の事業者や個人事業者等に対して、減額や買いたたき、本体価格での交渉の拒否などにより消費税の転嫁を拒む行為を禁止しています。
特に、税込価格で対価を定めている場合に消費税率引き上げ後も対価を据え置く行為や、販売する商品が軽減税率の対象品目であることを理由に10%が適用される商品の仕入価格を据え置く行為は「買いたたき」に該当しますので、注意しましょう。
←「一般NISAの非課税期間が終了した場合」前の記事へ
次の記事へ「★☆★11月のチェックポイント★☆★」→