承継円滑化法の「所在不明株主に関する特例」
カテゴリー: 会計トピックス
2021-09-10
承継円滑化法の「所在不明株主に関する特例」
経営承継円滑化法の改正により、所在不明株主からの株式買取り等に要する期間を短縮する特例が創設されました(本年8月2日施行)。
◆経営円滑化法における支援措置
経営承継円滑法は、中企業の事業承継円滑化に向けた総合的支援策の基礎となる法律で、以下の3つの措置が設けられており、改正により「所在不明株主に関する会社法の特例」が新設されました。
◎事業承継税制
後継者が先代経営者等から非上場株式等(法人)や、事業用資産(個人)を贈与又は相続等で取得する場合、同法の認定を受けることで贈与税・相続税の納税が猶予及び免除されます。
◎遺留分に関する民法の特例
先代経営者の推定相続人全員の合意の上で、後継者に贈与等された自社株式・事業用資産について、
①遺留分を定する財産から除外、又は ②遺留分を算定する財産に第入する価額を合意時の時価に固定することができます。 |
◎金融支援
事業承継に必要となる資金について、公庫の融資と信用保証の特例が利用できます。
◆「所在不明株主に関する会社法特例」の新設
会法上、株式会社は、所在不明株主に行う通知等が5年以上継続して到達しない等の場合、その株式の買取り等の手続が可能ですが、経営承継円滑化法の認定を受ける等を前提に、「5年」の期間を「1年」に短縮する特例が同法の措置に加わりました。
なお、認定を受けるには、 ①経営困難要件(代表者が年齡、健康状態その他の事情で、事業活動の継続に支障が生じていること)、 ②円滑承継困難要件(所在不明株主により後継者に承継させることが困難であること)をいずれも満たす必要があります。 |
←「ハローワークインターネットサービスの拡充」前の記事へ
次の記事へ「小学校休業等対応助成金・支援金の再開」→