起業入門(6)商号と商標(会社ロゴの作成と商標登録)

カテゴリー:  
2015-01-06

登記できても商号を利用できない場合
前回解説した商号のルールは、主に商法・会社法に定められたルールでした。しかし、ある程度自由商号を決めることができたとしても、同じ会社の商号が多くあった場合、社会が混乱していますし、真似された会社は信用を傷つけられて損害を被る恐れもあります。真似した側は不当な利益を得ることが考えられます。そこで、同じ商号や似た商号については、「不正競争防止法」という法律によって規制されています。

■著名表示帽用行為(ちょめいひょうじぼうようこうい)
他人の著名な商号と同一もしくは、類似の商号を利用することを禁止しています。

■混同惹起行為(こんどうじゃきこうい)
著名とは言えなくても、地方や需要者間で広く認識されている商品や営業と混同させることも禁止されています。

このような行為の場合は、商号の使用の差止めや、損害賠償の請求されることがありえるので、商号を決めるとは、同一だけでなく、類似した商号も避ける必要があります。

商号と商標
商標とは、『自社の商品・サービスを他商品と区別するために、その商品などに使用するマーク』をさします。文字だけでなく、図形、記号、立体的なものもです。会社がその商標を独占的に使用できる権利を商標権といい、商標権を得るためには、特許庁に出願して商標登録を受ける必要があります。

■商標登録の流れ



1.調査:商標が既に登録されてないかどうか調べます。(弁理士が行う)

2.出願:商標を特許庁に出願します。(印紙代が発生)

3.審査: 特許庁の審査です。不許可なら審査官と交渉します。(通常6か月程度)

4.登録: 特許庁が許可した場合、正式に登録します。(印紙代が発生)

特許庁のサイト「商標」→http://www.jpo.go.jp/seido/shohyo/index.html

■商標登録の費用

<特許庁に払う費用>
商標出願費用:基本料金3,400円+1分類につき8,6000円
出願分類数
印紙代
1分類
12,000円
2分類
20,600円
3分類
29,200円
4分類
37,600円

商標登録費用:1分類につき21,900円(5年間)または37,600円(10年間)
出願分類数
印紙代(5年分)
印紙代(10年分)
1分類
21,900円
37,6000円
2分類
43,600円
75,200円
3分類
65,700円
112,800円
4分類
87,600円
150,400円

<弁理士に払う費用>
弁理士へ支払う費用は、事務所によって異なりますが、手続きの流れに沿って「調査」「出願」「審査対応」「登録」の4つの費用項目があります。
登録後10年までで弁理士に払う費用(印紙代などは別)の目安としては合計20万円程度です。

会社ロゴについて
会社を作成した際に、HPや名刺に記載するロゴを作りたいと方は多いと思いますが、いざ作ろうと思った際に、どこに頼めば良いかわからない場合も多いかと思います。
私も会社を設立して、名刺を作ろうと思った際に、ロゴを作るときにどこに頼むべきかわららず苦労しました。

方法①知り合いのデザイナーに頼む
もし知り合いの方でデザイナーがいればその方に頼むことが考えられます。しかし、いろんな案をみたいという場合には不向きかもしれません。

方法②クラウドソーシングを使う
知り合いもいなく、安くいいものをというのであれば、クラウドソーシングを使う方法が考えられます。
クラウドソーシングとは、不特定多数の人の寄与を募り、必要とするサービス、アイデア、またはコンテンツを取得するプロセスです。簡単に言うと、予算を設定し、不特定多数にアイディアを募り、良いものを選ぶことができるサービスです。以下の2つのサイトが有名ですが、私はランサーズを利用し、ロゴを作成しました。

・ランサーズ http://www.lancers.jp/
・クラウドワークス http://crowdworks.jp/

株式会社えんカウントのロゴ作成


予算:20,000円

依頼内容:

株式会社えんカウントの会社ロゴの依頼です。
業務は高齢者向けの施設や高齢者住宅を仲介する会社です。
ターゲットはご年配層となります。お年寄りはもちろん、そのご家族の目に多くとまると思いますので、40歳から80歳くらいまでの方に対して好感がもってもらえるようなデザインが希望です。
会社名の由来はご縁(出会い)を大事にしていきたい(数える)という意味を込めてつけました

キャプチャ
提案数:40個

決定:
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他の候補:http://www.lancers.jp/work/detail/76779


執筆者: 満田 将太 資格:税理士・公認会計士
得意分野:起業支援・財務分析
連絡先:mitsuda@en-count.com

監査法人で会計監査に従事し、様々な業種(代理店業・製造業・商社・百貨店等)の経営を見てきました。また自身でも高齢者住宅の紹介業で起業していますので、そのような経験を活かして独立・起業のアドバイスなどが出来ればと思います。
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