起業入門(8)取締役会設置会社と設置していない会社の比較(メリット・デメリット)
カテゴリー: 独立・開業関連
2015-02-20
取締役会の設置は任意
取締役会は、取締役3名以上からなる会社の業務執行の意思決定機関です。取締役会の設置は任意です。取締役会設置会社では、会社の業務の意思決定を取締役会で行い、それを代表取締役または業務執行取締役(業務執行の委任を受けた取締役)が実行します。取締役会を設置している会社と設置していない会社の比較
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取締役会設置会社 |
取締役会非設置会社 |
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取締役の数 |
1名以上 |
3名以上 |
業務執行の決定 |
取締役の過半数 |
取締役会の決議 |
業務執行人 |
各取締役 |
代表取締役・業務執行取締役 |
株主総会の権限※ |
法定事項のほか、会社の運営の一切の事項 |
法定事項のほか、定款で定めた事項についてのみ |
代表取締役 |
取締役全員に代表権がある |
取締役会で必ず1名以上仙人 |
監査役の設置 |
置いても置かなくてもよい |
必ず設置する |
※株主総会の決議事項
株主総会では、法令に規定する事項または定款に定めた事項に限り決議することができます(295条2項)。
取締役会設置会社において株主総会での決議事項とされている主なもの以下となります。
①定款変更、解散、合併など会社の組織・事業の基礎的変更に関する事項 ②計算書類の承認や株式の第三者有利発行など株主の重要な利益に関する事項 ③取締役など役員の選任・解任に関する事項 ④役員報酬の決定など役員の専横防止に関する事項 ⑤事後設立など法規制の潜脱防止に関する事項 |
法令・定款に定められた事項以外につき株主総会での決議がなされても、それは無効です。一方、取締役会非設置会社については上記のような制限はなく、株主総会の本質に反しない限り会社の一切の事項につき決議することができます。
取締役会設置会社のメリット・デメリット
■メリット
①機動性がある →会社法で定められている事項については、株主総会で決議することなく、取締役会で決めて迅速に対応することができます。 ②対外的な信用になる →一般的に対外的な信用が増します。 ③牽制機能がはたらく →特定の取締役が独断で経営することを防止します。 |
■デメリット
①人数の確保 →少なくとも取締役3名+監査役の1名の計4名が必要となります。 ②役員報酬のコスト →最低でも4名分の報酬のコストが発生します。 ③取締役会の開催 →取締役会を定期的に開催しなければなりません。その際の議事録の作成、保管の義務があります。 |
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