消費税と法人税の考え方の相違②―補助金で機械を購入した場合―
カテゴリー: 消費税関連
2015-07-02
補助金で機械を購入した場合―法人税の考え方―
国や市区町村の政策に見合った事業を行う場合、その事業に必要な資金を国や市区町村が負担してくれることがあります。ここでは、国等から取得した補助金100万円でその補助金の目的に合った機械100万円を購入した場合を考えます。法人税法では、補助金をもらった場合には「雑収入」等の収益科目に計上されます。機械の購入は一旦資産計上され、減価償却を通じて経費になっていきます。
この場合、雑収入が100万円なのに対し減価償却費が15万円だとすると、せっかく補助金をもらったのに利益が出て法人税が発生し資金が目減りしてしまいます。そこで法人税法には利益が一度に出ないように「圧縮記帳」という特例が設けられています。
※「圧縮記帳」の意味は特に説明しません。法人税法が損益のバランスに重点を置いていることだけを意識していただければ結構です。
補助金で機械を購入した場合―消費税の考え方―
消費税法の考え方はとてもシンプルです。まず、100万円で機械を購入するという行為は消費税の課税対象となります。なぜ消費税の課税対象となるかというと次の4つの要件を満たすからです。
☆4つの要件☆ ①国内で行われる取引であること ②事業者が事業として行うものであること ③対価を得て行うものであること ④資産の譲渡、貸付け、役務の提供であること |
一方、補助金の受け取りについては、こちらも機械の購入とのバランスなどは一切考慮せず、国等から100万円の補助金を受け取るという行為だけで消費税の課税関係を判断します。補助金100万円は国等に対して何かをしてあげたこと(役務の提供)の見返りとして受け取ったわけではありません。4つの要件を満たさないため消費税の課税対象にはなりません。
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