最近の税制改正(4)―特別償却②新制度の取り扱い―

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2015-04-09

特別償却~適用要件~
中小企業者等が取得する設備等のうち、「生産性向上設備等」に該当するものを取得した場合には新制度の特別償却の適用を適用を受けることができます。「生産性向上設備等」に該当するためには、その設備等が最新モデルで生産性を向上させるもの等としてメーカーから証明書を発行してもらわなければなりません。
特別償却~計算方法~
新制度の特別償却制度は、従前の特別償却制度と同様に特別償却と税額控除の選択適用となります。
次のうちいずれかを選択
即時償却(取得価額の全額を損金算入)
10%税額控除(資本金等の額が3,000万円以下の法人に限る)


減税効果の検討
即時償却と税額控除の場合の減税効果を考えてみます。
1,000万円の機械を期首に取得した場合。耐用年数は6年の定率法とします。
即時償却の場合
法人税の実効税率を35%とすると、1,000万円×35%=350万円の法人税を減らす効果があります。
税額控除の場合
まず、普通償却は通常どおり行うことができます。つまり、1,000万円×0.333=333万円が損金に算入することができます。このことによる減税効果は333万円×35%=1,165,500円です。
さらに、税額控除として1,000万円×10%=100万円の減税効果が見込めます。
合計すると、1,165,500円+100万円=2,165,500円となります。
減税効果の性質
即時償却の場合の減税効果は350万円であり、税額控除のそれは2,165,500円です。その差は1,334,500円です。
金額だけ見ると、即時償却のほうが減税効果が高いですが、その性質は大きく異なります。
即時償却は取得価額の全額を損金に算入できますが、翌期以後は1円も損金に算入できる部分は残っていません。
一方、税額控除のほうは耐用年数である6年間をかけて少しずつ損金に算入していきます。結果として全額損金に算入できることになります。それに加えて税額控除が100万円受けられるのです。この100万円は補助金のような性質のものだといえるでしょう。
長い目で見れば税額控除のほうが得であると思われますが、実際には様々な状況を総合的に判断して決定します。


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