所得控除あれこれ(6)―医療費控除①―

カテゴリー:  
2015-02-19

医療費控除の切捨額
医療費控除は年間の医療費支払額が「10万円を超えたら受けることができる」ということをよく耳にすると思います。
たとえば、年間で15万円の医療費を支払った場合には10万円が切捨てられ、5万円を医療費控除として差し引くことができるという制度です。
しかし、医療費の支払金額が年間10万円以下でも医療費控除を受けられる場合があります。
たとえば、公的年金を年間で250万円もらっている65歳以上の人が、医療費を年間で9万円支払ったとします。この場合、実は2万5千円の医療費控除を受けることができるのです。
医療費控除の切捨額は、所得金額の5%10万円かいずれか少ない金額を選択することができます。つまり、所得金額が200万円未満であればその金額に5%を掛けた切捨額は10万円未満になります。
上記の例の場合、65歳以上の人が年間250万円の公的年金をもらうと、その所得金額は120万円を差し引いた130万円になります。ここは収入から経費を差し引いて利益を算定しているとイメージしてください。
所得金額が130万円だとすると、その切捨額は130万円×5%=6万5千円となります。医療費の年間支払額は9万円ですから、9万円-6万5千円=2万5千円が医療費控除の適用を受けることができることになります。
保険金などで補てんされる金額
病気やケガで入院したり通院したりした場合に、保険会社等から入院給付金や医療保険金の給付を受けることがあります。その場合には、医療費として病院に診療代を支払ったとしても、その全額を医療費控除の対象とすることはできません。なぜなら支払った金額から給付を受けた給付金や保険金を差し引いた金額のみが医療費控除の対象となるからです。
それでは、「がん」と宣告されたことを保険事故として給付される保険金は支払った医療費から差し引かなければならないでしょうか。この場合は、差し引く必要はありません
給付される保険金等を差し引かなければならない場合は、その治療の内容と保険金が個別に対応している場合に限ります。具体的にどの治療に対する保険金か明らかでない保険金の給付を受けた場合には医療費控除の計算上制限を受けることはありません。


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