遺言書の基礎
カテゴリー: 相続税の基礎
2014-10-07
遺言書の起案
あらかじめ遺言書を被相続人の意思を尊重し、作成しておくことで家族の絆を大切にできる効果があります。遺言をすることで、遺産にからむ争いを少しでも防止につなげることができますし、残された相続人も遺言者の意思にそった納得のいく遺産の配分を円満に実現させることができます。
遺言の種類(3つ方式)
法律は遺言について、厳格な方式を定めていますが、遺言しやすいような配慮として3つの方式を定めています。
①公正証書による遺言 ②自筆証書による遺言 ③秘密証書による遺言 |
種類 | ①公正証書遺言 | ②自筆証書遺言 | ③秘密証書遺言 |
---|---|---|---|
作成方法 | 公証役場に行き、本人が口述し公証人が筆記。 | 本人が遺言の全文・日付・署名等を自筆し押印。 | 本人が遺言書に署名押印後、遺言書に同じ印で封印。公証人の前で、本人の遺言である旨を申述。 |
書く人 | 公証人 | 本人(自筆→ワープロ等×) | 自筆でなくても良い |
作成場所 | 公証役場 | どこでも可 | 公証役場 |
証人 | 2人以上 | 不要 | 2人以上 |
検印 | 不要 | 必要 | 必要 |
メリット | ・紛失、偽造等の恐れがない ・検印が不要 | ・費用がかからない ・証人不要 ・内容を秘密にできる | ・ワープロ、代筆可 ・存在を明確にし、内容を秘密にできる |
デメリット | ・費用がかかる ・内容を秘密に出来ない | ・方式の不備で無効の恐れがある ・紛失、偽造等の恐れがある | ・手続きが煩雑 |
遺言書が必要な場合
特に遺言が必要な場合を列挙すると以下の通りです。
① 息子の妻に財産を贈りたい場合 ② 特定の相続人に事業承継、農業承継をさせたい場合 ③夫婦に子供がいない場合 ④ 内縁の妻に財産を残したい場合 ⑤遺産を公益事業に役立てたい場合 ⑥ 相続人間で紛争が予測される場合 ⑦ 知人や友人に遺産を送りたい場合 ⑧ 相続権のない孫に遺産を贈りたい場合 ⑨ 身体障害者である子供により多くの遺産を残したい場合 |
←「相続税の基本対策」前の記事へ 次の記事へ「毎年コツコツ節税対策(1)―暦年贈与の活用―」→