毎年コツコツ節税対策(3)―税務署に否認されないための対策―
カテゴリー: 相続税の基礎
2014-11-06
税務署に否認されないための対策
これまで暦年贈与を手続きが簡単な方法として説明してきましたが、財産移転の手続きにルールがないわけではありません。
贈与はあげる人ともらう人の契約行為ですので双方の合意がない財産移転は贈与には該当しないのです。このような双方の合意が証明できない財産の移転については税務署に否認される可能性があります。
次の一定のルールにしたがって財産移転を行うことをおすすめします。
***暦年贈与のルール*** ◎ 現金で渡さず銀行振込にする いつ、いくら渡したという証明になります。 ◎ 子供が管理している通帳に振り込む 親が自分の管理している子供の通帳にお金を振り込んだ場合には、双方の合意なくあげる人の意 思のみで財産移転が行われたものとみなされます。 ◎ 毎年贈与契約書を作成する 親子間、兄弟間でお金のやり取りをするときに書面を交わすことはあまりないと思います。しか し、口約束だけでは客観的にその事実を証明することは困難です。契約書はその都度作成すべき でしょう。 ◎ 毎年贈与する時期、金額を変える 毎年贈与契約書を作るのが面倒だからといって「毎年誕生日に100万円ずつ贈与する」という契 約をした場合には、贈与を開始した年に定期金の贈与をたものとして贈与した総額に対して課 税される恐れがあります。たとえば、5年間このような贈与を続けた場合には、100万円×5年分 =500万円の贈与契約を贈与の初年度に締結し、毎年100万円ずつ年金式に分けて渡したという 見方をされてしまいます。そのような見方をされてしまいますと、課税のうえでは500万円を一 度に贈与したものとみなされ、多額の贈与税を支払わなければならなくなります。そのため、 贈与する時期、金額を毎年不規則に行う必要があります。 ◎あえて110万円超の贈与をして税務署に申告をする さらに税務署に否認されにくい方法として、あえて毎年110万円を超える贈与をして税務署に申 告・納付する方法を当事務所ではおすすめしています。 |
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