消費税の納税義務者②
カテゴリー: 消費税関連
2015-05-21
基準期間(2年前の事業年度)がない法人
2年前の売上高(消費税が課されるものに限る)が1,000万円を超える場合には消費税の納税義務者となることは既に説明しました。それでは、2年前の売上高が存在しない場合、つまり、設立事業年度とその翌事業年度は消費税の納税義務者になるのでしょうか。原則として設立事業年度とその翌事業年度は消費税の納税義務はありません。ただし、設立事業年度であっても資本金が1,000万円以上である場合には納税義務者になってしまいます。ある程度の規模の法人には最初から消費税が課されることになります。
消費税の納税義務者のほうが得する場合
設立から2年間消費税の納税義務の免除を受けるため、資本金の額を1,000万円未満にする法人が多くあります。しかし、設立時の資本金の額を1,000万円以上にして納税義務者になったほうが税務上有利なこともあります。
それは、消費税の還付を受ける場合です。
設立時に自動車を買ったり店舗の内装に多額の資金を費やした場合などには消費税が還付になることもあります。
消費税は売上に係る消費税から経費に係る消費税を控除して納める消費税額を計算します。この場合、売上に係る消費税よりも経費に係る消費税のほうが金額が大きい場合には、控除しきれない部分の金額は還付されることになります。
※事業年度が1年間の法人を前提に説明しています。
※売上高は純粋な営業売上だけでなく、たとえば事業で使用していた自動車を売った場合なども含みます。
※1,000万円を超えるかどうかの判定は消費税がかかる取引に限定されます。したがって、住居の貸付けなどの非課税となるような収益は含まれません。
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