介護と会計・税務②(入金サイト・資金繰り)
カテゴリー: 介護と税務・会計
2014-06-17
運転資金
介護保険は1割は利用者からもらい、9割は自治体からもらいます。
その場合、当月分を翌月10日までに請求して、入金が翌々月の月末になります。ですので介護事業は入金サイトが長いのが特徴になります。新規開業の場合は、約3ヶ月分の運転資金が必要となります。
仕訳例
■サービス提供時
借方)介護報酬未収金(国保連請求分)××× 貸方)介護保険収益(国保連請求分)×××
借方)介護報酬未収金(利用者請求分)××× 貸方)利用者負担収益(国保連請求分)×××
■国保連からの入金仕訳(2ヶ月後の月末)
国保連からの介護報酬の入金が2か月遅れとなり、入金の際には返戻※も生じます。
借方)普通預金 ××× 貸方)介護報酬未収金(国保連請求分)×××
借方)介護報酬収益(返戻金額 )×××
※返戻(へんれい)とは
国保連合会へ提出した請求書類にミスが存在した場合、給付金支払いは行なわれません。ミスが発見された書類が送り返されることになります。この流れを介護報酬請求の「返戻」といいます。返戻された場合、翌月にミスを修正し正しいレセプト(介護報酬明細書)に仕上げた上で、再請求を行なう運用が必要となります。 |
資金繰り
介護報酬による収入(国保連)は、サービス提供の2ヶ月後ですが、職員への給料や経費は発生します。資金ショートを防ぐためには、2ヶ月分の経費を賄える資金がなければいけません。金融機関からの融資で調達できないのであれば、ファクタリングという方法が考えられます。
ファクタリングとは、介護事業者が有する売掛金(国保連に請求して、まだ入金されたいない介護報酬)をファクタリングサービス会社に売却することで、2ヶ月またずに資金化できる仕組みです。手数料等がかかりますが、ファクタリングをすることで資金繰りは改善されます。介護事業所の立ち上げや、事業拡大時の職員増加、金融機関からの融資が難しい場合は、検討してみるよいと思います。
■ファクタリングの費用
ファクタリング会社は検索すると何社もでてきます。手数料としては1%くらいで1回目の支払いで70%~80%くらいが多いようです。ファクタリングを受けることができる条件なども様々ですので、しっかり検討しましょう。
・リコーリース→http://www.r-lease.co.jp/kaigo/outline.html
・NTTファイナンス→http://ntt-finance.co.jp/service/nursing_care/index.html
←「介護と会計・税務①(会計区分)」前の記事へ 次の記事へ「介護と会計・税務③(経費の按分方法・基準)」→