消費税の課税対象となる取引②―本業の売上以外の収入―
カテゴリー: 消費税関連
2015-06-18
仕事で使用していた自動車を売却した場合
本業の売上以外の収入でも事業用として使用していたものを売却した場合には消費税が課税されます。例えば営業用の自動車を100万円で売却したとします。帳簿価額(この自動車の帳簿上の価値)は70万円残っています。そうすると、売却益は30万円です。消費税は売却益の30万円にかかるかというとそうではありません。売却価額の100万円にかかることに注意が必要です。
この理由は、この自動車を買った人の立場で考えるとわかります。この自動車を買った人は100万円に対する消費税を上乗せして支払います。売った人の売却益がいくらかなどという事情は買った人にはわかりません。売った人は買った人から100万円に対する消費税を預かるわけですから100万円を課税の対象にしなければなりません。
賃貸していたアパートを売却した場合
居住用としてアパートの部屋を賃貸している場合には、その賃料には消費税はかかりません。住まいに消費税を課税するのは酷だという配慮からです。しかし、注意が必要なのがこのアパートをオーナーが売却したときです。この建物の売却には消費税が課税されます。住宅の賃貸が非課税なのでその建物の売却も非課税なのではないかと思い違いをしてしまうケースがよくあります。
住宅の賃貸が非課税なのは借りる人の立場から考えた場合、賃料に消費税を課税するのは酷だからです。一方、この建物を売却する場合にはここに住んでいた人(借りていた人)は関係がありません。アパートのオーナーに課税するかどうかという問題になります。アパートを売却するという取引は、事業用の自動車を売却する場合と同様に課税の対象となるのです。
※2年前の課税売上高が1,000万円以下である場合には、消費税の納税義務はありません。
※例年、課税売上高が1,000万円以下である事業者が自動車やアパートを売却した結果、それらの売却額を含めた課税売上高が1,000万円を超えた場合には、2年後に消費税を納める義務が生じます。
※この「お役立ち情報」は、イメージをつかんでいただくことを最優先に記載しています。難しい税法用語は極力使用しないように心掛けています。そのため、厳密には正しくない表現や説明が網羅的でないことがあります。ご了承ください。
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