改正論点

消費税率引上げ時期に連動する年金改正

カテゴリー: 改正論点 
2015-04-15

消費税率10%への引上げ時期は、当初27年10月に予定されていましたが、27年度税制改正により、29年4月に実施されることが決まりました。

これに伴い、年金機能強化法により消費税率引上げと連動する形で27年10月から施行されることになっていた「年金受給資格期間の短縮」(年 金を受け取るために必要な加入期間を「25年以上」から「10年以上」にする)も、29年4月からの施行に延期される予定です。

なお、国民年金保険料の後納制度(保唉料を過去10年分までさかのぼって納付できる)は、27年9月までの時限措置として実施されていますが、 厚労省は実施期限を延長する方針です。

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平成2 7年度税制改正大綱(主な個人関連)

カテゴリー: 改正論点 
2015-01-16

◎ふるさと納税の拡充……*住民税から控除できる特例控除限度額を住民税所得割の2割(現行1割)に引上げる。28年度分の住民税(27年の寄附が対象)から適用。
*確定申告を行わない給与所得者等に代わり、寄附先の団体が控除手続を行う特例を創設。27年4月から適用。

◎ NISAの拡充……*年間投資上限額を120万円(現行100万円)に引上げる。28年から適用。
*未成年者の口座開設を可能にする「ジュニアNISA」を劊設(投資上限額80万円)。28年から適用。

◎住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充……適用期限を延長した上で、消費税率10%の影響を考慮し最大3千万円の非課税枠を設定する。27年中は、良質な住宅1500万円、一般住宅1千万円。

◎結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設……子や孫(20歳以上50歳未満)の結婚、出産、育児に要する資金を、親や祖父母が一 括贈与した場合に1千万円(結婚関係は300万円)まで非課税となる措置を創設。27年4月から適用。

◎出国時課税制度の創設……富裕層の海外移住による課税逃れ防止のため、巨額の含み益(1億円以上)がある株式等を保有したまま国外転出する場合、出国時に課税する特例を創設。27年7月から週用。

◎車休課税の見直し……*エコカー減税(自動車重量税・自動車取得税)の対象を見直し、2年延長する、
*軽自動車税について、燃費性能に応じた軽課を導入する。27年度に取得した軽自動車が対象。

◎その他……*一定の空家等に係る敷地は固定資産税等の住宅用地持例から除外、
*教育資金一括贈与非課税措置の对象に定期券代、留学渡航費等を追加。

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美術品等の減価償却資産の判定基準が改正

カテゴリー: 改正論点 
2015-01-12

会社が所有する美術品等が減価償却資産に該当するかどかの判断基準を定めた通達が改正され、取り扱いが変わることになりました。

これにより、古美術品等のように歴史的価値や 希少価埴があり代替性のないもの以外で、取得価額が1点100万円未満の美術品等は、減価償却資産として取り及われます(時の経過によりその価額が減少しないことが明らかなものを除く)。

改正は、27年1月1日以後に取得する美術品等に適用されますが、同日前に取得したもので、改正後の基準により減価償却資産に該当する場合は、27年1月以後に開始する事業年度(個人は27年分)から減価償却資産として処理できます。

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平成27年度税制改正大綱(主な企業関連)

カテゴリー: 改正論点 
2015-01-09

◎法人税率の引下げ……27年度(27年4月以後に開始する事業年度)から23.9%に引下げる。

◎外形標準課税の拡大……大法人(資本金1億円超)の法人事業税における外形標準課税を27・28年度で2倍に拡大する一方、所得割は引下げる。

◎欠損金繰越控除の見直し……*大法人の控除限度 (所得の80%)を27年度は65%、29年度は50% に引下げる。
*欠損金の繰越期間(9年)を10年に延長し、29年度に生じた欠損金から週用する。

◎受取配当益金不算入制度の見直し……*27年度以降、持ち株比率が5%以下は20%、1/3以下は50%、1/3超は全額を益金不算入とする。
*株式投資信託の分配金は、全額益金算入とする。

◎所得拡大促進税制の拡充……給与等支給増加割合の要件(27年度3%以上、28・29年度5%以上)を緩和し、中小法人は27〜29年度を3%以上に、大法人は28年度を4%以上とする。

◎研究開発税制の見直し……一般試験研究費に係る控除限度を法人税額の25%とし、共同・委託研究などの特別試験研究費を拡充した上で控除限度を別枠化(法人税額の5%)する。

◎地方拠点強化税制の創設……地域再生法の対象区域で本社機能等を強化する場合や東京から本社移転する場合、計画の承認を受けた企業は取得した建物等の投資減税や雇用促進税制の特例が適用できる。

◎その他の見直し……*環境関連投資促進税制(即時償却の対象から太陽光発電設備を除外)、
*特定資産の買換え特例(9号買換えの買換資産から機械装置等を除外)、
*医療用機器等の特別償却制度(医療安全機器に係る措置を除外)など。

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来年から緩和等される事業承継税制

カテゴリー: 改正論点 
2014-10-06

来年から事業承継税制が要件緩和などにより、使い勝手がよくなります。

◆使い勝手がよくなる事業承継税制
事業承継税制は、後継者が先代経営者から相続または贈与により非上場株式を取得した場合、一定の要件を満たせば、相続税は80
%、贈与税は全額を収税猶予する制度です(議決権総数の2/3までの部分が対象)。
現行では、相続・贈与後に雇用の8割以上を5年間毎年維持するなどの厳しい要件がありますが、適用要件の緩和や手続きの簡素化などが行われ、27年1月以後の相続又は贈与について適用されます。
なお、制度を利用する際の経済産業大臣の「事前確認」は、25年4月から廃止されています。

◆主な見直し項目
◎雇用維持要件の緩和
【現行】贈与・相続開始時の雇用の8割以上を「5年間毎年」維持⇒【27年以降】贈与・相続開始時の雇用の8割以上を「5年間平均」で維持

◎親族外承継の対象化
【現行】後継者は先代経営者の親族に限定⇒【27年以降】親族外継承も適用対象

◎役員退任要件の緩和
【現行】先代経営者は贈与時に役員を退任⇒【27年以降】贈与時に代表権を有していないこと(有給役員として残留可)

◎納税猶予の打ち切りに係る利子税の負担軽減
【現行】納税猶予額に加え利子税の支払いが必要⇒【27年以降】納税猶予期間が5年を超える場合、5年間の利子税を免除

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2014年10月からスタートする主な制度など

カテゴリー: 改正論点 
2014-10-03

◎免税店(輸出物品販売場)制度の改正外国人旅行者などに免税店が対象物品を販売した場合、消費税が免税される制度について、対象外となっていた消耗品(食品、飲料、薬品、化粧品など)が対象になります。なお、消耗品は5千円超50万円以下(1人1日1店舗の合計額)の販売が免税対象です。

◎地方法人税の創設(10月以後に開始する事業年度から適用)‥‥法人住民税法人税割の税率を引下げ、その引下げ分を地方法人税(国税)として地方交付税の原資とする措置が行われます。なお、税負担は原則として変わりません。

◎「持分なし医療法人」の移行計画認定制度‥‥出資者が出資割合に応じて法人資産を払い戻すことができる「持分あり医療法人」から、出資者からの返戻が行われない「持分なし医療法人」への移行推進策として、「移行計画の認定制度」が実施されます(29年9月まで)。認定を受けた場合、相続税や贈与税の納税猶予などが受けられます。

◎地域別最低賃金の改定‥‥26年度地域別最低賃金の改定額が出揃い、発効日は各都府道府県で異なりますが、10月1日以降順次発効されます。

◎教育訓練給付金の拡充‥‥厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講した場合に費用の一部が支給される制度について、現行制度に加え、「専門実践教育訓練の教育訓練給付金」がスタートします。

◎父子福祉資金貸付制度‥‥ひとり親家庭の支援として、これまでの母子寡婦福祉資金に加え、父子家庭を対象とした福祉資金の貸付制度が始まります。

◎携帯とPHS間での番号ポータビリティ‥‥携帯電話とPHSとの間でも電話番号を変えずに事業者を変更できるようになります。

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「持分なし医療法人」への移行計画認定制度

カテゴリー: 改正論点 
2014-09-19

医療法人について、出資者が出資した割合に応じて法人資産を払い戻すことができる「持分あり医療法人」から、払戻しが行われない「持分なし医療法人」への移行を検討している場合、税制優遇措置などが受けられる移行計画の認定制度が来月から実施されます(29年9月までの3年間)。

認定を受けた医療法人について、相続により持分を取得した場合は、期限(認定の日から3年)まで相続税の納税が猶予され、持分を放棄した場合は猶予税額が免除されます。また、出資者の持分放棄で他の出資者の持分が増加したことで、贈与をとみなして贈与税が課される場合も同様です。

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抜本改正が検討される民法(債権関係)

カテゴリー: 改正論点 
2014-09-16

◆120年ぶりの抜本的な改正◆
 
商品の売買や不動産の賃貸借、事業資金の融資など、日常生活や経済活動は様々な「契約」によって成り立っています。
 
民法(債権関係)では、このような「契約」の基本的なルールなどが定められており、明治29年の制定から120年間、抜本的な改正は行われていませんでしたが、現代化を図り、国民に分かりやすいものとするため、改正に向けて動いています(来年の通常国会に改正案を提出予定)。
 
法務省が取りまとめた改正に関する要綱原案では、多くの項目が盛り込まれていますが、例えば、債権の消滅時効(一定期間権利を行使しないことで権利が消滅すること)の見直しや、事業融資における個人保証の制限など保証人保護の拡充などがあります。

◆消滅時効や個人保証に係る改正案◆

債権の消滅時効における現行の時効期間は原則、権利を行使できる時から10年間ですが、職業別に区分された一定の債権については1~3年の短い期間が規定されています(例えば、宿泊代金や飲食代金などは1年、商品の売掛代金などは2年)。改正案では、職業別の短期消滅時効を廃止し、原則として※権利を行使できることを「知った時から5年間」、※権利を行使できる時から10年間のいずれかに該当した場合に適用するとしています。
 
また、保証人保護の拡充では、事業融資における個人保証(経営者などは除く)について、公正証書で保証人が意思表示していなければ無効となるなどが検討されています。
 この他にも、多くの方に影響を与える改正が検討されていますので、今後の動向に注目しましょう。

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消費税任意の中間申告制度の創設

カテゴリー: 改正論点 
2014-09-14

直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税額を含まない国税分の年税額)が48万円以下の事業者については、今まで中間申告・納付の義務はありませんでした。

しかし、中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には、届出書を提出した日以後にその末日が最初に到来する6月中間申告対象期間(課税期間開始日の日以後6月の期間で、年1回の中間申告の対象となる期間)から、自主的に中間申告・納付をすることができるようになりました。

このときの中間納付税額は、直前の課税期間の確定消費税額の1/2の額となり、併せて地方消費税の中間納付税額を納付することとなります。

なお、任意の中間申告制度を適用する場合でも、仮決算による中間申告・納付をすることができます。

この制度を適用した場合、6月中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内に、中間申告書を納税地の所轄税務署長に提出し、その申告に係る消費税額及び地方消費税額を併せて納付します(期限までに納付しない場合には、延滞税が課される場合があります)。

中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合には、6月中間申告対象期間の末日に、任意の中間申告制度の適用をやめようとする旨を記載した届出書の提出があったものとみなされ、中間納付をすることができなくなります。

個人事業者の場合には平成27年分から、また、事業年度が1年の法人については、平成26年4月1日以後開始する課税期間(平成27年3月末決算分)から適用されます。

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来年度税制改正に向けた各省庁の要望

カテゴリー: 改正論点 
2014-09-01

平成27年度税制改正に向けて、各省庁が出した主な要望には以下のような事項があります。

◎法人実効税率の引下げ‥‥
来年度から法人実効税率の引下げを開始し、数年で20%台まで引下げる。

◎中小法人に係る法人税の軽減税率の引下げ‥‥
年800万円以下の所得金額に適用される軽減税率は、法人実効税率の検討状況を踏まえ、引下げを目指す。

◎事業承継に係る贈与税の納税猶予制度の拡充‥‥
同制度の適用者(2代目)が3代目に再贈与を行う場合、贈与税の納税義務が生じないようにする。

◎個人事業者の事業用資産に係る軽減措置の創設等‥‥
後継者に生前贈与した事業用資産について、贈与者の死亡時に生じる相続税を軽減する。

◎ジュニアNISA(仮称)の創設‥‥
未成年者の口座開設を可能とし、親権者等が代理運用を行う。年間投資上限額は80万円。

◎NISAの年間投資上限額の引上げ‥‥
毎月の定額投資に適した金額(120万円:毎月10万円×12カ月)に引上げる。

◎住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の延長・拡充‥‥
3年間延長するとともに、非課税枠を最大3千万円まで拡充する。

◎結婚・妊娠・出産・育児を支援するための贈与を目的に設定する信託に係る贈与税の非課税措置等の創設‥‥
信託等を活用し、結婚や出産などの費用を子・孫へ一括贈与した場合、一定額を非課税にする及び子育てに要する支出を所得税の控除対象にする。

◎その他‥‥
*デリバティブ取引等も金融商品間の損益通算範囲に含める、*たばこ税の税率引上げ、*ゴルフ場利用税の廃止、など。

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適用しやすくなった所得拡大促進税制

カテゴリー: 改正論点 
2014-08-04

平成26年度税制改正では、所得拡大促進税制の要件緩和などの改正が行われました。

◆給与支給額を増加させた場合の支援税制◆
 
所得拡大促進税制は、国内雇用者の給与等支給額が基準事業年度(通常は24年度)と比較して一定以上増加しているなどの要件を満たす場合、増加額の10%が税額控除(法人税額の10%、中小企業者等は20%が限度)できる制度です。
 
税制改正では、同制度の適用期限を延長するとともに、要件が見直され、次の①~③を満たす場合に適用できるようになりました。

① 給与等支給額が基準事業年度と比較して2%以上増加(27年4月~28年3月に開始する事業年度は3%以上、28年4月~30年3月は5%以上

② 給与等支給額が前事業年度以上であること

③ 平均給与等支給額が前事業年度を超えること

◆平均給与等支給額の算定は継続雇用者に限定◆

上記③の平均給与等支給額にていては、算定対象も見直され、「継続雇用者に対する給与等」に限定されました。
 
「継続雇用者に対する給与等」とは、適用年度と前事業年度のいずれにおいても給与等の支給を受けており、雇用保険の一般被保険者に該当する国内雇用者(高年齢者雇用安定法における継続雇用制度の対象者は除く)に対して支給した給与等をいいます。
 
これにより、新規雇用者や退職者、定年後の再雇用者などを除いた平均給与等支給額を算定し、比較を行うことになります。
 
なお同制度の利用に際して事前申請は不要です。また、雇用促進税制とは選択適用となります。

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耐震改修を行う中古住宅もローン減税適用

カテゴリー: 改正論点 
2014-07-18

これまで、耐震基準等に適合しない中古住宅(要耐震改修住宅)を取得した場合、住宅ローン減税を適用することはできませんでしたが、今年度税制改正により、耐震基準等に適合しない中古住宅を取得後に耐震改修を行う場合には、住宅ローン減税が適用できることになりました。
 
適用するためには、※取得日までに、耐震改修を行うことにつき一定の申請手続きをしていること、※居住する日までに、耐震改修により耐震基準に適合することとなったことについて一定の証明がされたこと、が要件となります。
 
なお、この改正は26年4月以後に取得した要耐震改修住宅に適用されます。

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今国会で改正された主な法律は

カテゴリー: 改正論点 
2014-07-04

今月22日に閉会した通常国会(第186回)で、4月以降に成立した主な法律は以下のとおりです。

◆4月以降に成立した主な法律◆

◎会社法の改正‥‥*監査等委員会設置会社制度の創設、*社外取締役・社外監査役の要件の見直し、*多重代表訴訟制度の創設、*特別支配株主の株式等売渡請求制度の創設など。施行日は公布日(26年6月27日)から1年6カ月以内。

◎パートタイム労働法の改正‥‥*正社員との差別的取扱が禁止される短時間労働者の対象範囲を拡大、*短時間労働者を雇い入れる際、事業主に雇用管理の改善措置について説明を義務付けるなど。施行日は公布日(26年4月23日)から1年以内。

◎労働安全衛生法の改正‥‥*労働者の心理的な負担を把握するため、医師などによるストレスチェックの実施を義務付ける(従業員50人未満は当分の間、努力義務)など。施行日は公布日(26年6月25日)からそれぞれ6ヶ月~2年以内。

◎著作権法の改正‥‥紙媒体による出版のみを対象としている現行の出版権制度を見直し、電子書籍も対象とするなど。施行日は平成27年1月1日。

◎国民年金法等の改正‥‥*国民年金保険料の納付猶予制度の対象者を50歳未満に拡大(28年7月施行)、*現行の後納制度に代わり、過去5年分を納付できる制度を創設(27年10月施行)など。

◎国民投票法の改正‥‥憲法改正に必要な国民投票の投票権年齢を18歳以上(法施行後4年間は20歳以上)に引下げるなど。26年6月20日に施行。

◎祝日法の改正‥‥国民の祝日として、8月11日を「山の日」と制定。28年から施行。

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収入印紙を貼り間違えた場合は

カテゴリー: 改正論点 
2014-05-21

今年4月から、領収書等(金銭又は有価証券の受取書)に記載された受取金額が5万円未満であれば、印紙税は非課税となりました。
 
印紙税を納付する必要がない文書に誤って収入印紙を貼ってしまった場合や、定められた税額を超えた収入印紙を貼ってしまった場合には、所轄税務署で還付を受けることができます。
 
ただし、収入印紙を文書から剥がしたり、貼り付けた部分を切り取ってしまうと還付が受けられなくなりますので、ご注意ください。

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簡易課税制度の基礎と改正について

カテゴリー: 改正論点 
2014-05-19

◆簡易課税制度の基礎と注意点◆

消費税の納税額は原則、課税売上げに係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額を控除した金額となりますが、前々事業年度の課税売上高が5千万円以下の場合は、簡易課税制度を適用することができます(適用する課税期間の前日までに届出書の提出が必要)。
 
簡易課税制度は、売上に係る消費税額に事業区分ごとに定められたみなし仕入率(小売業80%、サービス業50%など)を乗じた金額が仕入れ等に係る消費税額となるため、簡便的に納税額を計算することができる制度ですが、同制度を選択した場合は、2年間以上の適用が必要となります。
 
また、多額の設備投資などを行い、原則課税で計算すれば還付が受けられる場合でも、簡易課税では受けられないことなどに注意しましょう。

◆みなし仕入率の改正と経過措置◆
 
26年度改正では、簡易課税のみなし仕入率について、金融業・保険業を50%(現行60%)、不動産業を40%(現行50%)とする改正が行われ、27年4月以後に開始する課税期間から適用されます。
 
この改正には経過措置があり、26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していれば、届出書に記載した「適用開始課税期間」の初日から2年間に開始する課税期間(簡易課税を適用しなければいけない期間)については、改正前のみなし仕入率が適用されます。
 
例えば、3月末決算の不動産業者が26年9月30日に届出書を提出した場合、27年4月~29年3月までの2年間は、みなし仕入率が50%となります。

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NISAに係る制度改正について

カテゴリー: 改正論点 
2014-04-30

今年からNISA(少額投資非課税制度)がスタートしましたが、26年度税制改正により使い勝手が改善されます。

◆来年から1年毎に金融機関の変更が可能に◆
 NISAは、専用口座内で年間100万円を上限に購入した上場株式や株式投信等による売買益や配当などが非課税となる制度です(非課税期間は5年)。
 NISA口座を開設する場合、現行は勘定設定期間(①26年~29年、②30年~33年、③34年~35年)ごとに1つの金融機関に限られているため、最長4年間は他の金融機関に変更・開設できないこととなっていますが、改正により1年毎に口座を開設する金融機関を変更することが可能になります。
 また、NISA口座を廃止した場合についても、同一の勘定設定期間内に口座を再開設することができるようになります。
 これらの改正は、27年から適用されます。

◆NISA口座で損失がある場合の留意点◆
 NISA口座では、売買益や配当などが非課税となる一方で、損失が生じた場合はなかったものとされるため、特定口座などで保有する上場株式等の売買益や配当金等との損益通算や、繰越控除は適用できません。

 また、5年間の非課税期間の終了後に、上場株式等を特定口座などの課税口座に移管した場合、その時点での時価が取得価額となります。例えば、100万円で購入し50万円に値下がりした株式を特定口座に移管した場合、取得価額は50万円となるため、移管後に株価が回復し100万円で売却すれば、50万円の利益が生じたことになり、課税されます。

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26年度改正による給与所得控除の見直し

カテゴリー: 改正論点 
2014-04-11

給与所得者の場合、給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額が給与所得となります。

給与所得控除額は、給与収入に応じて定められていますが、25年から給与収入が1500万円を超える場合の控除額には245万円の上限が設けられました。

26年度税制改正では、給与所得控除のさらなる見直しが行われ、28年から次のように控除額の上限が引下げられます。

*28年は給与収入が1200万円を超える場合、控除額の上限が320万円になります。

*29年以降は給与収入が1000万円を超える場合、控除額の上限が220万円になります。

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2014年4月から開始された制度等(税制、年金以外)

カテゴリー: 改正論点 
2014-04-07

◎日本公庫による融資制度の拡充

*マル経融資(経営改善貸付)、生活衛生改善貸付‥‥融資限度額を2千万円に拡充します。
*海外展開資金‥‥クールジャパンの推進に資する事業を行う場合、貸付利率を引下げます。
*教育一般貸付(国の教育ローン)‥‥融資限度額を350万円(海外留学は450万円)に拡充します。

◎小規模企業共済制度の加入対象の拡大‥‥小規模企業の範囲変更に伴い、宿泊業又は娯楽業は従業員20名以下(従来は5名以下)が加入対象となります。

◎中小企業等に対する特許料等の軽減‥‥ 国内出願に係る審査請求料・特許料、国際出願に係る手数料(調査・送付・予備審査)が1/3に軽減されます。

◎「WindowsXP」と「Office2003」のサポート終了‥‥4月9日にサポートが終了し、セキュリティ更新プログラムが提供されません。

◎すまい給付金制度の実施‥‥消費税率8%で住宅を取得した方について、収入が一定以下の場合は、10~30万円の給付金が支給されます。

◎太陽光発電の固定買取価格引下げ‥‥26年度の新規参入者向け買取価格(1kwh当たり)は非住宅用(10kw以上)が32円+税、住宅用(10kw未満)が37円になります。

◎脱法ドラッグの所持・使用等の禁止‥‥指定薬物を含む脱法ドラッグ(合法ハーブなどと称される薬物)の所持や使用、購入なども禁止となり、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となります。

◎特定不妊治療に関する助成制度の見直し‥‥治療開始が40歳未満の方は、年間助成回数と通算助成期間の限度が廃止されます(通算助成回数は6回)。

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26年4月から適用される主な税制は

カテゴリー: 改正論点 
2014-03-31

平成26年度税制改正が成立しました。4月から適用される主な税制は次の通りです(26年度以前の改正も含みます)。

◎消費税率の引上げ‥‥4月以降に行われる取引から、原則8%が適用されます。

◎住宅ローン減税の拡充‥‥引上げ後の消費税率で住宅を取得した方を対象に控除額が拡充されます(一般住宅の場合、10年間で最大400万円)。

◎ゴルフ会員権等の譲渡損失の損益通算廃止‥‥売却による損失は、他の所得と損益通算ができません。

◎復興特別法人税の1年前倒し廃止‥‥4月以降に開始する事業年度から廃止されます。

◎交際費課税の見直し‥‥資本金1億円超の法人について、飲食のために支出する費用の50%が損金算入できます。中小法人は、損金算入の特例(800万円まで全額損金)と選択適用できます。

◎生産性向上設備投資税制の創設‥‥26年1月20日(産業競争力強化法の施行日)以降に取得等した生産性向上設備について、28年3月までは即時償却又は5%税額控除が選択適用できます。

◎中小企業投資促進税制の拡充‥対象設備のうち、上記の生産性向上設備に該当するものは、即時償却又は7%税額控除(資本金3千万円以下は10%)が選択適用できます。

◎所得拡大促進税制の拡充‥‥給与等支給額の増加割合を2%以上(現行5%以上)に引下げるなどの要件が緩和されます。

◎領収書等に係る印紙税の非課税範囲の拡大‥‥5万円未満の領収書(消費税額を区分記載すれば税抜き額で可)には印紙税が不要になります。

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消費税に係る「任意の中間申告制度」の創設

カテゴリー: 改正論点 
2014-03-24

4月から消費税率8%になることで、納税額は単純計算で1.6倍になるため、納税資金の管理などの観点から「任意の中間申告制度」が創設されました。
 
消費税を分けて納税する中間申告制度は、前事業年度の年税額が60万円(地方消費税を含む)を超える事業者に義務付けられていますが、中間申告義務のない事業者も届出書を提出することで、自主的に中間申告(年1回)ができるようになります(26年4月以後開始する課税期間から適用)。
 
なお、任意の中間申告により納付する税額は、前事業年度の年税額の1/2となります(仮決算を行って計算した消費税額による納付も可能)。

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