改正論点

平成29年度税制改正大綱(個人関連)

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2016-12-16

29年度の与党税制改正大綱が公表されました。

◎配偶者控除・配偶者特別控除の見直し……38万円の所得控除が受けられる配偶者の年収上限を150万円(給与のみの場合)に引上げ、150万円超201万円以下までは控除額を段階的に縮小。また、納税者に所得制限を設定し、給与収入1120万円から 控除額が縮小し、1220万円を超えると控除は適用不可。30年分以後の所得税について適用。

◎積立NISAの創設……長期・分散投資に適した一定の投資商品に限定し、年間投資上限額40万円、非課税期間20年間の積立NISAを創設。現行のNISA (年間投資上限120万円、非課税期間5年)との選択制。30年から適用。

◎タワーマンションに係る課税の見直し……高さ60メー卜ル超のタワーマンション(届住用超高層建築物)に対する固定資産税について、高層階ほど税額を高く、低層階ほど低くなるように見直します。不動産取得税についても同様。30年度から新たに課税される居住用超高層建築物(29年4月1日前に売買契約が締結されたものを除く)について適用。

◎国外財産に対する相続税等の納税義務の範囲の見直し……相続人又は被相続人が相続開始前10年以内に国内に住所を有する日本人である場合は、国内財産及び国外財産を相続税等の課税対象とする等の見直しを行う。贈与税についても同様。29年4月1日以後に相続等で取得する財産について適用。

◎到着時免税店の導入……空港等の到着工リアにおける免税店(到着時免税店)を導入し、到着時免税店において購入した物品を現行の携帯品免税制度の対象に追加する。29年7月1日以後から適用。

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10月から開始される主な制度など

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2016-09-30

◎社会保険の被保険者資格取得基準(3/4基準)の明確化……取得基準が「1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の3/4以上」とされ、明確になります。

◎短時間労働者に対する社会保険の適用拡大……<特定適用事業所(従業員数501人以上)に勤務する短時間労働者(3/4基準を満たさない)で、①週の所定労働時間が20時間以上、②賃金が月頟8.8万円以上、③雇用期間が1年以上見込まれる、④学生ではない、のすべてに該当する方は、新たに厚生年金・健康保険の適用対象となります。

◎厚生年金の標準報酬月額の下限改定……短時間労働者に対する適用拡大に伴い、厚生年金の標準報酬月額の下限に、新たな等級(第1級:88000円)が追加されます。

◎健康保険の被扶養者認定における兄姉の同居要件廃止……被保唉者の兄姉についても、弟妹と同様に同居していない場合でも被扶養者の対象になり、同居の確認書類類の添付は不要になります。

◎登記申請の際の「株主リス卜」の添付義務……登記すべき事項について株主総会の決議や株主全員の同意を要する場合、登記申請の際に「株主リス卜」を添付する必要があります。なお、株主総会が9月までに行われた場合でも、登記申請が10月以降であれば、株主リス卜が必要です。

◎地域別最低賃金の改定……28年度の改定額は、すベての地域で21円以上の引上げ額となっています。 発効日は各都道府県で異なりますが、10月1日から10月20日までに発効されますので、厚労省や労働局のホームページ等で確認しましよう。

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個人型確定拠出年金の制度改正

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2016-09-24

29年1月から個人型確定拠出年金の加入対象範囲が拡大されることから、認知度向上のため愛称が 「iDeCo (イデコ)」に決定されました。

◆来年から基本的に全ての60歳未満が対象に◆
個人確定拠出年金(個人型DC)とは、公的年金に上乗せする私的年金(国民年金基金連合会が実施)で、加入者が選択した金融機関を通じて自ら掛金の運用を行い、運用の成果によって将来の給付額が決まる制度です。

現行の加入対象者は、自営業者等(国民年金第1号被保険者)や、企業年金等に加入していない会社員(厚生年金被保険者)に限定されていますが、制度改正により、来年から企業年金加入者や専業主婦 (第3号被保険者)、公務員等も対象になります。

◆個人型DCの主な特徴◆
◎受給方法……老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類があり、老年給付金は原則60歳から年金または一時金で受取ることができます。

◎掛金の上限……加入者によって異なり、自営業者場合は月額6.8万円(年81.6万円)、企業年金等に加入していない会社員の場合は月額2.3万円 (年27.6万円)が限度となります。

◎税制上の優遇措置……掛金は、全額所得除(小規模企業共済等掛金控除)の对象となり、運用段階において得た収益は、全額非課税です。また、給付金を年金で受取る場合には公的年金等控除、一時金で受取る場合には退職所得控除が適用されます。

◎注意………運用リスクは加入者個人が負うことになり、原則60歳まで掛金を途中で引き出すことはできません。

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機械装置の取得に係る固定資産税の特例

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2016-06-24

◆中小企業等経営強化法が7月から施行予定◆
28年度税制改正では、中小企業等が生産性を高める機械装置を取得した場合に、固定資産税を軽減する措置が創設されましたが、その前提となる「中小企業等経営強化法」が7月初旬から施行される見通しとなっています。

中小企業等経営強化法は、生産性を向上させる取組を計画した中小企業等の支援を目的に制定され、同法で示された基本方針や事業分野別指針に沿って生産性向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取組を記載した「経営力向上計画」について、国から認定を受けることで固定資産税の軽減措置や、金融支援等の特例措置を受けることができます。

◆機械装置の取得に係る固定資産税の軽減◆
固定資産税の持例は、中小企業等経営強化法の施行日から31年3月31日までの間に、経営力向上計画に基づき取得する一定の機械装置(新品)について3年間、固定資産税の課税標準を1/2に軽減する措置となります。

一定の機械装置とは、①販売開始から10年以内、②旧モデル比で生産性(单位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率等)が年平均1%以上向上する、③1台又は1基の取得価額が160万円以上、のいずれにも該当するものです。

同法施行日以降、例えば、28年中に経営力向上計画に基づき取得した機械装置は、29、30、31年度の固定資産税が軽減されます。

この特例は、従来の設備投資減税(特別償却や税額控除)とは異なり、固定資産税での軽減措置となるため、赤字企業にも減税効果があります。

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4月から開始される主な税制(企業関連)

カテゴリー: 改正論点 
2016-04-11

28年度税制改正において、4月(又は1月)から運用される主な企業関連の改正は以下の通りです。

◎法人税率の引下げ……28年4月以後開始事業年度から23.4%になります(中小法人等は所得800万円超の部分)。

◎減価償却の見直し……28年4月以後に取得する建物附属設備及び構築物の原価償却方法は、定額法一本化されます。

◎生産性向上設備投資促進税制の縮減……即時償却及び税額控除率の上乗せ措置が廃止され、28年4月から29年3月までに取得等したものは50%特別償却(建物・構築物は25%)又は4%税額控除(建物・褐築物は2%)となります。なお、中小企業投資促進税制における生産性向上設備の上乗せ措置は変更ありません。

◎雇用促進税制の見直し……28年4月以後開始事業年度から適用の基礎となる増加雇用者数は、有効求人倍率が低い一定の地域(地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域内)の事業所における無限雇用かつフルタイムの雇用者の増加数となります。

◎高額資産を取得した場合の消費税の特例措置の見直し……課税事業者が28年4月以後、高額資産(一取引1千万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産)の仕入れ等を行った場合、仕入れ等をした課税期間から3年を経過する各課税期間は、事業者免税点制度及び間易課税制度は適用できません(27年までに締結した契約に基づく仕入れ等は除く)。

◎通勤手当の非課税限度額の引上げ……28年1月以後に受けるべき通勤手当の非課税限度額は、月額15万円になります。

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4月から開始される主な税制(個人関連)

カテゴリー: 改正論点 
2016-04-04

成立した平成28年度税制改正を中心に、4月から開始される主な個人関連の改正は以下の通りです。

◎空き家に係る讓渡所得の特別控除の創設……被相続人の届住用家屋を相続人が相続した後、空き家となっている一定の家屋について、31年までにその家屋(耐震性のないものは耐震改修をした場合に限る)又は家屋を除却後の土地を売却した場合の譲渡所得について、3千万円を控除できます。

◎三世代同居改修工事等に係る税額控除制度の創設……自己の所有する家屋に三世代同居に対応した一定の住宅リフォーム(浴室ゆトイレなどの増設)を行い、31年6月までの間に居住した場合は、①住宅ローン(償還期間5年以上)の年末残高1千万円以下の部分に一定割合を乗じた額を5年間、所得税頟から控除、②自己資金の場合、標準的な工事費用相当額(250万円が限度)の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除できます。

◎結婚・子育て資金に係る贈与税非課税措置の対象費用拡大……非課税の対象となる不妊治療に要する費用は、薬局に支払われるものも対象になります。

◎住宅取得等に係る特例の適用対象拡大……非居住者も住宅ローン控除などの適用が可能となります。

◎国税不服申立制度の改正……税務署長が行った処分に不服がある場合には直接、国税不服蕃判所長に対する「審査請求」を行うことができます。また、不服申立てができる期間が、処分のあったことを知った日の翌日から「3力月以内」に延長されました。

◎エンジェル税制の申請・相談窓口の変更……個人投資家がベンチャー企業へ投資を行った場合の優遇措置関する手続は、都道府県が窓口になります。

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28年4月から適用される主な制度(税制以外)

カテゴリー: 改正論点 
2016-04-01

◎女性活躍推進法……常時雇用労働者数が301人以上の事業主は、自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析を踏まえた行動計画の策定・届出などが義務付けられます(300人以下は努力義務)。

◎障害者差別解消法……障害を理由として、サービスの提供を拒否するなどの「不当な差別的取扱い」を禁止し、障害者から配慮を求める意思の表明があった場合には、負担になり過ぎない範囲で「合理的配慮」を行うよう事業者は努めなければなりません。

◎障害者雇用促進法の改正……雇用分野(募集・採用、資金の決定、教育訓練の実施など)で障害を理由とする差別的取扱いを禁止し、職場で働くに当たっての支障を改善するための措置を講ずることが事業主に義務付けられます(合理的配慮の堤供義務)。

◎健康保険法の改正……*健康保険の標準報酬月頟の上限を139万円に、標準賞与額の上限を573万円に引上げます。*傷病出産手当金の支給額の算定を「支給開始日以前の12力月標準報酬月額を平均した額÷30日X2/3」に見直します。

◎中小企業経営承継円滑化法の改正……遺留分特例制度について、後継者が親族外でも対象になります。

◎小規模企業共済法の改正……個人事業者が親族内で事業承継した場や65歳以上の会社役員が退任した場合の共済金の引上げなどが実施されます。

◎景品表示法の改正……商品の品質や価格が、実際よりも著しく優良・有利であると消費者が誤認する不当な表示に対して課徴金制度が導入されます。

◎特許法等の改正……*従業員による職務発明の特許の榷利を企業に帰属されることが可能になります。 *恃許料や商標登録料の引下げなどが行われます。

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2 8年4月から改正される健康保険制度

カテゴリー: 改正論点 
2016-02-12

「持続可能な医療保険制度を構築するための国民建康保険法等の一部を改正する法律」により、今年4月から、健康保険の標準報酬月額の上限引上げや、傷病手当金等の計算方法が見直されます。

◆標準報酬月額・標準賞与額の上限引上げ◆
健康保険における標準報酬月額は、現行121万円 (第47級)が上限となっていますが、その上に127万円(第48級)、133万円(第49級)、139万円(第50級)の3等級が追加され、上限が引上げられます。

また、標準賞与額については、現行540万円が年度の上限となっていますが、573万円に引上げとなります。

なお、標準報酬月額の上限改定に伴い、新等級に該当する被保険者の方がいる場合は、保険者等(厚生労働大臣又は健康保険組合)の職権により標準報酬月額が改定されるため、事業主からの届出は必要ありません(該当者がいる場合は事業主に通知書が送付されます)。

◆傷病手当金・出産手当金の計算方法見直し◆
傷病手当金及び出産手当金の支給金額(日額)は、現行「休んだ日の標準報酬月額÷30日X2/3」で計算されますが、計算方法が見直され、「支給開始日以前の12力月間の標準報酬月額を平均した額÷30日X2/3により支給金額を計算することになります。

なお、28年4月以前から傷病手当金等を受給している方の場合、28年3月までは現行の計算方法となり、28年4月1日支給分から新しい計算方法により支給金額を決定します。

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消費税の軽減税率の導入でどうなる?

カテゴリー: 改正論点 
2016-01-29

28年度税制改正大綱により、消費税率を10%に引上げる29年4月から対象品目を8%に据え置く軽減税率制度が導入される予定です。

◆軽減税率の対象外となる「外食」とは◆
軽減税率は、酒類及び外食を除く「飲食料品」と、定期購読契約が締結された週2回以上発行される「新聞」が対象品目となります。
飲食料品のうち軽減税率の対象外となる外食については、「食事の提供を行う事業を営む者がテーブル、椅子などのその場で飲食させるための設備を設置した場所で行う食事の提供、その他これに類するもの」と定義され、店内飲食や注文に応じて指定された場所で調理等を行うケータリングなどは対象外となります。
一方、飲食店からのテイクアウ卜や宅配などは軽減税率の対象です(詳細は検討中)。

◆軽減税率導入後の経理方式は◆

経理方式については、33年4月から「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス)」が導入される予定ですが、それまでの間(29年4月〜33年3月)は現行の請求書等保存方式を維持しつつ区分経理に対応する措置として、請求書等に軽減税率の対象品目である旨と、税率ごとに合計した対価の額を記載する「区分記載請求書等保存方式」となります。

また、経過措置として、税率の異なるごとに区分することが困難な事業者は、売上税額又は仕入税額を簡便に計算することが認められます。例えば、売上税額は売上の一定割合を軽減税率対象品目の売上として計算でき、課税売上高5干万円以下の中小事業者の場合は軽減税率の導入から4年間、選択できます(中小以外も1年に限り選択可能)。

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28年1月から適用が始まる主な税制

カテゴリー: 改正論点 
2016-01-15

今月から適用が開始される主な税制は、以下のとおりとなります。

◎給与所得控除の上限引下げ……給与収入1200万円超の場合における給与所得控除は230万円が上限となります。

◎公社債等の課税方式の变更……一定の公社債や公社債投資信託の課税方式が申告分離課税(20%)に統一されます。また、上場株式等との損益通算や譲渡損失の繰越控除、特定口座への受け入れなどが可能になります。

◎NISAの年間投資上限額の引上げ……NISA口座における年間投資上限額が120万円に引上げられます。

◎ジュニアNISAの創設……未成年者がNISA口座を開設できるようになり、年間80万円を上限に非課税投資が可能となります(原則、親権者等が運用・管理)。1月から口座開設の受付が開始され、上場株式等の購入は4月からとなります。

◎国外居住親族に係る往春控除等の適用……国外に居住する親族について扶養控除等の適用を受ける場合は、その親族に係る「親族関係書類(親族であることを証明する書類)」ゆ「送金関係書類(親族の生活費等に充てるための支払を証明する書類)」の添付又は提示が必要となります。

◎財産債務調書の提出……その年分の所得金額が2千万円超であり、年末において財産価額が3億円以上または有価証券等の価額が1億円以上の場合は、財産の種類や価額等の一定事項を記載した財産債務調書の提出が必要となります(27年末における状況から適用され、28年3月15日が提出期限)。

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平成28年度税制改正大綱(個人関連)

カテゴリー: 改正論点 
2016-01-08

◎スイッチOTC薬控除の創設……29年1月からメタボ健診や予防接種等を受けている個人を対象に、スイッチOTC医薬品(医療用から転用された医薬品)の購入費用について、年1.2万円を超えた部分 (8.8万円が限度)を所得から控除できる制度を創設する。現行の医療費控除とは選択適用。

◎空き家に係る譲渡所得の特別控除の創設……被相続人の居住用家屋を相続した後、空き家となっている一定の家屋について、28年4月から31年12月までの間にその家屋または家屋を除却後の土地を売却した場合の譲渡所得について、3千万円の特別控除を創設する。

◎三世代同居改修工事等に係る税額控除制度の創設……自己の所有する家屋に三世代同居に対応した一定の住宅リフォームを行い、28年4月から31年6月までの間に居住した場合、所得税額から一定額を控除する制度(ローン型:年末残高の一定割合を5年間控除、投資型:標準的な工事費用相当額の10%をその年分から控除)を創設する。

◎消費税の軽減税率制度の導入……29年4月から対象品目の消費税率を8%に据え置く輊減税率を導入する。酒類及び外食を除く「飲食料品」と、定期購読契約で週2回以上発行する「新聞」が対象。

◎車体課税の見直し……29年4月から自動車取得税を廃止し、自動車税及び軽自動車税おいて環境性能割を導入する。

◎その他……*結婚・子育て資金の贈与に係る非課税措置の対象費用に薬局処方の不妊治療薬を含むこと等を明確化、*国立大学法人等の修学支援事業に個人が寄附した場合の税額控除を導入、など。

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平成28年度税制改正大綱(中小企業関連)

カテゴリー: 改正論点 
2015-12-25

◎法人税率の引下げ……28年度(28年4月以後に開始する事業年度)から23.4%、30年度に23.2% に引下げる(中小法人等は所得800万円超の部分)。

◎減価償却の見直し……28年4月以後に取得をする建物附属設備及び構築物の償却方法は定率法を廃止し、定頟法に一本化する。

◎雇用促進税制の見直し……雇用者数が増加した場合の税額控除制度について、適用の基礎となる増加雇用者数が有効求人倍率が低い地域内の事業所における無期雇用かつフルタイムの雇用者に限定される。

◎企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の創設 ……地方公共団体が行う効果の高い地方創生事業 (国が認定)に対して企業が寄附をした場合、現行の損金算入措置に加えて、法人事業税・法人住民税及び法人税の税額控除を創設する。

◎外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充……28年5月から、免税販売の対象となる購入下限額を一般物品(現行1万円超)、消耗品(現行5千円超)ともに5千円以上に引下げる等を行う。

◎生産性向上設備に係る固定資産税の軽減措置の創設……中小企業の生産性向上に関する法律(仮称)の施行日から31年3月までの間に、中小企業者が生産性を高める一定の機械装置を新たに取得した場合、固定資産税の課税標準を3年間、1/2に軽減する措置を創設する。

◎その他……*生産性向上設備投資促進税制は適用期限(29年3月)で廃止、*環境関連投資促進税制は対象資産を見直し、*少額減価償却資産の損金算入特例は対象から従業員1千人超の法人を除外、* 通勧手当の非課税限度額を月額15万円引上げ、など。

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来年から大きく変わる証券税制

カテゴリー: 改正論点 
2015-11-25

来年から公社債・公社債投資信託の課税方式の変更や、NISAの拡充などが実施されます。

◆公社債等に対する課税方式の変更◆
28年1月から、国債や公募社債などの一定の公社債や、MMFなどの公社債投資信託に対する課税方式が大きく変わり、利子や売却、償還などによる所得は申吉分離課税(20.315%)に統一され、非課税とされていた譲渡益は課税対象となります。

また、公社債等が上場株式等と同じ課税方式になることに伴い、上場株式等の譲渡損益や配当等との損益通算や、譲渡損失の繰越控除ができるようになり、特定口座への受け入れも可能になります。

なお、金融商品間での損益通算等の範囲が拡がる一方で、上場株式等と非上場株式等に係る譲渡所得は、それぞれ別々の分離課税制度になり、原則として損益通算ができなくなります。

◆ジュニアNISAの創設や投資上限の引上げ◆
NISA (少額投資非課税制度)については、28年1月から年間投資上限額が120万円(現行100万円)に引上げられます。

また、20歳未満の未成年者丨こよるNISA口座の開設が可能となるジュニアNISA (未成年者少額投資非課税制度)が創設され、1月から口座開設の受付が開始されます(上場株式等の購入ができるのは4月から)。

ジュニアNISAは、原則として親権者等が運用や管理を代理して行う制度で、年間80万円を上限に購入した上場株式等の売却益や配当が最長5年間、非課税となります。ただし、口座開設者が18歳になるまで売却代金や配当等の払出しが制限されます。

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国外扶養親族に係る関係書類の提出義務化

カテゴリー: 改正論点 
2015-10-14

外国人労働者や国際結婚の増加等に伴い、国外居住の親族に対する扶養控除や配偶者控除等の適用が増えていることから、27年度改正において、居住者が国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、関係書類の堤出等をしなければならないことになりました。

この改正は、28年1月以後に支払を受けるべき給与等について適用され、扶養控除等申告書とともに「親族関係書類(親族であることを証明する一定の書類)」の提出等が必要となります。また、年末調整の際には「送金関係書類(親族の生活費等に充てるために支払したことを明らかにする一定の書類)」の提出等をしなければなりません。

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在職老齢年金の取扱いと10月からの改正

カテゴリー: 改正論点 
2015-09-11

◆65歳未満の在職老齢年金の取扱い◆
60歳以上の方で、在職中に厚生年金に加入しながら老齡厚生年金を受ける場合は、老齡厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額(標準報酬月額+1年間賞与÷12)に応じて、年金額の一部または全部が支給停止となる場合がありますが、65歳未満と65歳以上では仕組みが異なります。

65歳未満の方は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円以下であれば年金額は全額支給されますが、28万円を超えた場合は支給停止の対象となり、基本月額と総報酬月額相当額に応じた計算方法により支給停止頟を算出します。

また、高年齡雇用継続給付(雇用保険の加入期間が5年以上で、賃金が60歳到達時の75%未満となった方に支給)を受ける場合は、さらに一定額(賃金の0.18%〜6%)が支給停止となります。

◆65歳以上の取扱いと、70歳以上に係る改正◆
65歳以上70歳未満の方は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円を超えた場合に支給停止の対象となり、超えた部分の額の1/2が支給停止頟 (月額)となります。

なお、70歳以上の方は、厚生年金の彼保険者ではありませんが、これまで昭和12年4月2日以降に生まれた方に対しては、65歳以上の方と同様の支給停止が行われていました。

しかし、改正により27年10月以降は、昭和12年4月1日以前に生まれた方も支給停止の対象となります。この改正に伴い、該当する方が在職している場合は「70歳以上被用者該当届」を提出する必要があります。

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国境を越えた役務提供に係る消費税の見直し

カテゴリー: 改正論点 
2015-09-04

インターネッ卜等を介して国内外で行われる電子書籍や音楽、広告の配信などの「電気通信利用役務の提供」について、消費税の課税関係が以下のように見直され、2 7年10月以後から適用されます。

◎内外判定基準の見直し……電気通信利用役務の提供については、消費税の課税対象となる囯内取引に該当するか否かの判定基準が「役務の提供を受ける者の住所等」に見直されます(現行は役務の提供を行う者の事務所等の所在地)。これにより、国外事業者が国内の事業者・消費者に行う電気通信利用役務の提供は、国内取引に該当し課税対象になります。

◎リバースチャージ方式の導入……国内事業者が国外事業者から「事業者向け電気通信利用役務の提供 (広告配信など役務の提供が通常事業者に限られるもの)」を受けた場合は、その役務の堤供を受けた国内事業者が、消費税の申告・納税を行う「リバースチャージ方式」が導入されます。ただし、経過措置により、課税売上割合が95%以上の事業者や簡易課税制度の適用事業者は、当分の間、その役務の提供に係る仕入れはなかったものとされ、リバースチャージ方式による申告を行う必要はありません。

◎消費者向け電気通信利用役務の提供に係る仕入税額控除の制限……国内事業者が国外事業者から「消費者向け電気通信利用役務の提供(電子書籍や音楽の配信など事業者向け電気通信利用役務の提供以外のもの)」を受けた場合は、当分の間、その役務の提供に係る仕入税額控除が制限されます。ただし、「登録国外事業者」から提供を受ける場合は、仕入税額倥除を行うことができます。なお、登録国外事業者は8月17日現在で6社が登録を受けています。

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中小企業も知っておきたい改正会社法

カテゴリー: 改正論点 
2015-08-14

今年5月に施行された改正会社法は、主に上場企業や大企業に影響を与える改正が中心ですが、中小企業も知っておきたい改正も含まれています。

◆特別支配株主の株式等売渡請求の創設◆
議決権の90%以上を保有する株主(持別支配株主)が、他の株主全員に対して全ての株式を売り渡すように請求できる制度が創設されました。

同制度による売渡請求を行う場合は、特別支配株主が対象株式の買取価格や、株式を取得する日などを定めた上で、株式の発行会社に通知し、承認を受ける必要があります(取締役会設置会社では取締役会の承認)。

承認後、会社は取得日の20日前までに、売渡請求を承認した旨や売渡に対する対価に関する事項など一定事項の通知を少数株主へ行うことで、株式を取得できます。

◆監査役の監査範囲の限定について登記が必要◆
ただし、売り渡し請求を受けた株主(売渡株主)は、特別支配株主が提示した株式の買取価格が会社の財産の状況などから著しく不当である場合や、売渡株主が不利益を受けるおそれがある場合は、特別支配株主に売渡請求をやめるよう請求できます。また、裁判所への価格決定の申したてや、売り渡しの無効の訴えを起こすことができます。

この他、定款で監査役の監査範囲が会計監査のみに限定する会社(多くの中小企業が該当)について、「監査役の監査の範囲を会計に限定する旨」を登記することが必要となりました。5月以降、最初に監査役が選任・退任する際の登記に併せて、会計に限定する旨を登記することになります。

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今国会により現時点で成立している改正法

カテゴリー: 改正論点 
2015-07-17

今通常国会は、会期が延長され、9月27日までとなりましたが、これまでに以下のような改正法が成立しています(4月以降に成立した主なもの)。

◎中小企業信用保険法の改正……*地域の経済や雇用を担うNPO法人の事業資金の調達を支援するため、中小企業信用保険の対象に一定のNPO法人を追加する、*特別小口保険の対象となる信用保証協会の保証割合について、部分保証を導入する。

◎地域再生法の改正……東京から地方へ本社機能を移転する場合や、地方の企業が本社機能等を強化する場合に、取得した建物等の投資減税や雇用促進税制の特例を適用する、など。

◎不正競争防止法の改正……営業秘密の保護強化のため、*罰金額の引上げ及び犯罪収益の没収等の措置を講じる、*営業秘密侵害罪を非親告罪とする、*営業秘密侵害の未遂行為を処罰対象にする、など。

◎特許法等の改正……社員による職務発明について、あらかじめ契約、勤務規則などで定めることで、特許の権利を企業に帰属されることができる。その代わり、発明者に対しては、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を与える、など。

◎道路交通法の改正……*75歳以上の運転者が認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為をした際、臨時に認知機能検査を行う、*運転免許の種類として準中型自動車免許を新設する、など。

◎裁判員の参加する刑事裁判に閎する法律の改正…… *蕃判に著しい長期間を要する事件等等について、 例外的に裁判員の参加する合議体で取り扱う事件から除外する、*裁判員等選任手続において犯罪被害者の氏名等の情報を保護する規定を整備する、など。

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来年から大きく変わる特定公社債等の課税

カテゴリー: 改正論点 
2015-06-26

平成28年1月から、特定公社債(国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債などの一定のもの)や、公募公社債投資信託(MMF、MRFなど)に対する課税方式が大きく変わります。

◆特定公社債等の所得は申告分離課税に◆
現行、公社債の利子や公募公社債投資信託の分配金などは「源泉分離課税(20.315%) 」、公社債や公募公社債投資信託の譲渡益は「非課税」、公社債の償還差益は「雑所得として総合課税」となっています。

改正により、特定公社債等の利子や売却、償還などによる所得については、28年1月から「申告分離課税(20.315%)」に統一されることになります。 そのため、非課税とされていた譲渡益は、来年から課税対象となります。

また、上場株式等の譲渡損益や配当等と損益通算ができるようになり、特定公社債等の譲渡損失も3 年間の繰越控除が可能となります。

◆特定口座での取り扱いも可能に◆
特定公社債等が上場株式等と同じ税制になることに伴い、金融機関に開設した恃定口座への受け入れが可能になり、上場株式等と一緒に管理できるようになります。

源泉徴収ありの特定口座の場合には、特定口座内で源泉徴収や損益通算が行われ、確定申告は不要となります(譲渡損失の繰越控除などを適用する場合は確定申告が必要)。

なお、経過措置により、既に保有している恃定公社債等についても、特定口座に受け入れることができます(一定期間に所定の手続が必要)。

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NISAの利用状況と制度改正

カテゴリー: 改正論点 
2015-04-29

日経平均が15年ぶりに2万円台を回復しました。

◆NISA口座の利用状況◆
昨年から、上場株式等の配当・譲渡益等に対する課税は20%になるとともに、NISA (専用口座内で年間100万円を上限に購入した上場株式等の売却益や配当が非課税となる制度)が始まりました。

金融厅が公表したNISA口座の利用状況(26年12月末時点)によると、開設数は825万3799口座となり、NISA口座における総購入額は2兆9770億円でした。総購入額の内訳は、投資信託が最も多く1兆9440億円、次いで上場株式が9705億円となっています。

また、口座全体の稼働率は45.5%で、稼動口座における平均購入額は79.2万円となっています。

◆NISAに係る改正点◆
今年から、NISA口座を開設する金融機関の変更が1年毎にできるようになりました。ただし、既に買付けを行っている年については、金融機関を変更することはできません。

28年からは、NISAの年間投資上限額が120万円(現行100万円)に引き上げられるとともに、20歳未満の未成年者の口座開設が可能となる「ジュニアNISA」が創設されます。

ジュニアNISAの年間投資上限額は80万円で、運用や管理は原則として、親権者等が代理して行います。また、18歳まで口座からの払出しが制限されます(災害等の場合は、非課税での払出しが可能)。

なお、親や祖父母等がジュニアNISAの運用資金を拠出した場合、その他の贈与と合わせて基礎控除(年110万円)を超えると贈与税が課せられます。

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